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大学 CaLaboEX

名古屋学院大学

第3回名古屋学院大学CALLワークショップ開催報告

20120313 掲載

2012年2月18日(土)、名古屋学院大学において3回目となる『CALLワークショップ』が開催され、講演と2つの授業実践報告、ハンズオンやe-Learning体験のプログラムに、高校と大学の先生方を中心に11名が参加された。

■講演「韓国におけるICT教育の実践」
 韓国大邱市Daegu Cheoungrim小学校 キム・ヒョンジュン 先生

 韓国大邱市の小学校には「英語体験室」と呼ばれる英語教育専門の教室が設けられ、「英語で考える」「英語に触れあう」活動や授業が行われている。英語への親しみや興味を持たせ、自信をつけることを目的として、現在は大邱市のどこの小学校にも必ずある設備であり、この「英語体験室」では電子黒板をはじめ、ICT教育ツールを活用した授業が展開されている。スマートフォンやiPadなどのモバイル端末で、空間の制約を受けることなくインターネットが活用できるように、無線APの設置も進められているそうだ。インフラ整備へかなりの投資をしていることからも、ICT教育へ力を注いでいることが伺える。スマートフォンが普及したために、画面上にタッチして操作する電子黒板を使った授業が生徒の興味を引くらしく、「ICTを活用することによって生徒の学習意欲も向上している」と先生はお話された。

 韓国の英語の授業は、教師が主導する一斉授業よりも、生徒が中心に取り組む活動がメインとのことで、一つの例として、アメリカの学校の生徒と交流するためにCheoungrim小学校の生徒が作ったビデオレターの動画を紹介された。授業改善のため、優秀な教師の授業は録画してWebサイトで公開し、教師が見られるようにもなっているという。その他にも、市や放送局が無料で公開しているWeb学習サイトやコンテンツなどを紹介いただき、韓国のICT教育が進んでいることを垣間見ることができた。

 講演後の質問コーナーでは、参加された先生方から次々と手が挙がり、「小学校では週何時間英語の授業があるのか?」⇒「3・4年生は週1回、5・6年生は週3回」、「小学校の英語教育では何を目標としているか?」⇒「英語に興味を持たせること、基礎的な英語を使うことに自信を持たせること、日常会話のコミュニケーションが取れること、そして英語学習を通して、他国の文化や習慣を理解すること」といった質疑応答がなされ、韓国の英語教育への関心が高まるとともに、あらためて日本の教育現場を振り返る機会となったようだ。

「英語体験室」での授業の様子をお話されるキム先生
韓国のICT教育に関心を寄せて講演に耳を傾ける先生方

■授業実践発表 & ハンズオン
「Microsoft PowerPoint 2010 を活用した
 デジタルストーリー・テリング― CALL教室における実践 ― 」
筑波大学 現代語現代文化専攻(外国語センター)  小野 雄一 先生

 小野先生が授業で取り入れられている「デジタルストーリー・テリング」の活動について、前半に授業実践のご発表をいただき、後半のハンズオンで参加者の先生方に体験いただいた。小野先生によると、「デジタルストーリー・テリング」とは「写真とナレーションによる短い映像作品」のことで、普段なじみのある「PowerPoint」でも作成でき、授業で取り入れていることを説明された。「PowerPoint2010」ではスライドショーに写真を貼り、ナレーション機能で音声を録音し、動画形式でファイルを保存すると映像作品ができるという具合。

 小野先生が授業で「デジタルストーリー・テリング」を取り入れている目的の一つは「発表したものを残す」こと。作品を残し、蓄積して振り返ることで、学生が自分の成長を確認することができ、成長過程をより「見える化」できるようになるという。オーラルでのプレゼンテーションと違い、自分の発表のどんなところが面白かったかなどの聴衆の反応を冷静に見ることもできて、オーラルのプレゼンが苦手な学生にも取り組みやすい活動だそうだ。テーマによってはグループを作って取り組ませることもあるという。先生は素材やテーマを与え、基本的な作業については指示を与えるが、今の学生はPowerPointの操作を特別に教えなくても使いこなすという。また、CaLabo EXのファイル配布機能でPowerPointのテンプレートをデジタル配布したり、ファイル提出機能で学生の作品を集めたり、インカム機能で学生の画面を操作し、画面サブモニタに映して全員に見せたりするなど、CALLシステムで効率よく授業を進行していることも併せて紹介された。

 ハンズオンでは「名古屋を紹介する」というテーマで「デジタルストーリー・テリング」を作成、3枚のスライドショーを1分程度の長さの作品に仕上げる。今回は小野先生が授業で使っているPowerPointのテンプレートを使って作業を行った。まず、CaLabo EXのファイル配布機能で配布されたテンプレートに各自持参した写真を貼り、スライドごとに英文でスクリプトを付ける。名古屋の名物・観光名所・交通機関の紹介など、内容はバラエティに富み、それぞれの個性が感じられる。スクリプトが書けたら、PowerPoint2010の「スライドショーの記録」で読み上げた音声を録音し、動画ファイル(.wmv)としてファイル保存、再生して確認し、作業は完了。先生から「そろそろ作業は終わりにします」と合図があっても、集中してなかなか作業が終わらない先生や、録音音声を聞いて「自分の声を聞くのは少し気恥ずかしいですね、生徒の気持ちがわかりました」とおっしゃる先生もいらして、生徒側として活動する新鮮さも体感できたようだ。最後に二人の先生の作品をセンターモニタに映して全員で鑑賞し、ハンズオンは終了した。

 先生方からは、「PowerPointにこんな機能があると思わなかった」「思わず熱中して楽しく取り組めました」「さっそく来年度の授業で取り入れてみたい」と実際に取り組んで楽しさを感じ、ご自身の授業でも取り入れたいというご感想を多数いただいた。

机間巡視して作業の手順を説明する小野先生
PowerPointに写真を貼り、英語スクリプトを付ける...

■授業実践発表 & e-Learning体験
「e-Learningが効果を上げるための条件とは何か」
岐阜工業高等専門学校 亀山 太一 先生

 亀山先生は、教鞭を取られている高等専門学校の学生向けに、自作のe-Learning教材を提供されている。そのe-Learningの一つ『Kosen English Town』について、その構成や作成意図、授業での活用法などを発表された。先生はe-Learning教材を「いやでもやらなければならない」ものとして学生たちに取り組ませている。単に強制的に取り組ませるのではなく、そこには先生の教育の意図が様々反映されている。e-Learningにログインすると「単語/名詞句/文法トリニティ」の3つの学習カテゴリがあり、それぞれに学生の特性を理解した先生の工夫が見られた。「単語」は1Unitあたり20問の出題だが、その中に2問、それまで学習した単語が過去問として含まれる。過去問が含まれることで、今学習していることが、またいつ出題されるかわからない緊張感があり、その場限りの学習にならないように考えられている。「名詞句」では名詞句そのものの構造と、それらをつなぐルールを徹底的に学ばせる。不正解だった時にも、単純に正解と解説を提示するのではなく、正解するまでのステップとして、前に戻って「助走問題」を行い、少しずつ着実に理解させるなど、先生のe-Learningでは自ら理解しながら進めることを重視されている。「英語は少し苦手だけれど、数学や理論的に考えることは得意」とする多くの高専の学生たちに、「数式を覚えるのと同じ感覚で文の構造を覚えさせるようにしている」と話された。「ランキング」のランク付けも特徴的で、「合計点」だけの評価ではなく、「バランス点」を導入し、各カテゴリの得点の高低差がない人にも高得点が与えられ、「合計点」と「バランス点」の総合評価となっている。

 e-Learning体験では、『Kosen English Town』にログインして実際に取り組み、その内容や構成、操作感を確認いただいた。『Kosen English Town』はWebで公開されており、登録すれば誰でも利用できるようになっている。「学習者のことをとてもよく考えられている教材で、実際に体験できてよかった」との感想が寄せられ、「授業で使わせたい」との質問もあり、すぐに活用していただける内容であった。

『Kosen English Town』の活用法を説明する亀山先生
e-Learningのリスニング問題に取り組む参加者

参考:『Kosen English Town』
http://cocet.gifu-nct.ac.jp/ket/login.aspx

 今回のワークショップでは、「講演」「授業実践発表」のように聴講するプログラムと、「ハンズオン」「e-Learning体験」といった実際に体験いただく時間があり、参加された先生からは「非常に参考になった」「実際に体験できてよかった」と多くの感想をいただき、充実した内容で、盛況のうち終了した。

※記事中のご所属や職位は取材当時のものです。