中学校 英検CAT

慶応義塾普通部

個の学びと集団の学びを深めるサポートツールに

20111012 掲載

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  「外国語学習とコンピュータ」の可能性を追い求める慶応義塾普通部の跡部智先生は、中学生の英語の授業にも積極的にeラーニングを取り入れ、「旺文社・英検CAT」などのデジタル教材を活用している。同校では自律協働学習を進めるにあたり、効果を発揮しているのが生徒によるRole Modelという存在だ。


「タイマー制御」で「操作ロック」し公平感のなかでテストを実施

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跡部 智 先生

 「コンピュータは外国語学習の習得において、潜在的に可能性があるものだと、私は信じています」と跡部先生は言う。ヨーロッパでは1990年代にすでに、外国語教育にコンピュータを取り入れており、先生自身もそうしたテーマをイギリスのニューカッスル大学大学院で研究テーマとしてきた。修士課程を終え、96年に慶応義塾普通部で教壇に立つと、英語の科目とは別に、2、3年生の選択授業を受け持ち、生徒自身の手でWebサイトを作る活動を取り入れた。当時はまだ家庭にパソコンが普及しておらず、インターネットもさほど活用されていない頃。生徒たちは目新しい授業に興味を持って取り組んだ。

 2000年代に入り、パソコンやインターネットが一般化してきたなかでは、生徒にパソコンに慣れ親しませることから一歩進んで、パソコンを活用していかに学習を深めるかということがテーマとなってきた。跡部先生は慶応義塾大学で使用しているオンライン型学習システムのMoodleを普通部にも取り入れ、2003年度からは生徒たちの自律性を育むため、eラーニングによる英語学習に取り組ませた。そして、05年度から導入したデジタル教材『旺文社・英検CAT』が生徒の自律学習を深めるのに大いに役立ったのだという。

 跡部先生が『旺文社・英検CAT』を取り入れたのには、次のような理由があった。CAT(Computerized Adaptive Testing)エンジンが幅広い生徒のレベルに対応できること、また、レベル診断だけに終わらず、学習履歴が残り、継続的な学習ができることである。また、学習場所が教室だけに限らず、自宅のパソコンからもアクセスできることもメリットの一つであった。

生徒の自律学習を促す『旺文社・英検CAT』

 さて、導入から5年が過ぎた現在、跡部先生はどのように『旺文社・英検CAT』を活用しているのだろうか。

 授業では『旺文社・英検CAT』の文法ドリルをはじめ、ワークブックやシャドーイングなどが課題として出される。『旺文社・英検CAT』による学習の進捗状況や文法ドリルの修得率はチャート化されて全員に告知され、それがよい刺激となって自発的に学ぼうとする意欲が引き出されている。課題に対しては、取り組んだ記録を数値に変換して集計し、成績評価の参考にするという。
学習は個々のペースに応じて進めるが、これだけでは終わらせない。生徒どうしがグループで学び合う活動を取り入れているのだ。なかでも、今年度からは生徒による「Role Model」が学びを深める大切な役割を担っている。

Role Modelが学習をリードし、学び合いの場をつくる

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 「学習の場に実践共同体(=Learning Community)を作りたかったのです」と跡部先生は話す。模範・手本といった意味を持つRole Modelは、これら共同体をリードする存在であり、Role Model検定で認められた生徒が務めることになる。グループのリーダーや記録係など、与えられた役割を果たすことで学び合うことの達成感を味わうことができるのだ。

  「Role Modelは、課題ごとにまず希望者を募ります。その中から検定で認められた生徒が、他の生徒の学習を見て評価します。学習の進まない生徒に対しては、Role Modelが学習の進め方を教えます。たとえばシャドーイングの課題について、できたか否かを○×で評価することもあります。しかしRole Modelはあくまでも役割であり、個々の人格や能力だけで成り立つものではありません。やる気のある生徒は結果的にいくつもの課題でRole Modelを務めることになります。そうした意欲もまた成績評価の対象としています」例えばライティングの課題。生徒たちは、Role Modelを含む4人1組でチームを組む。Role Modelがグループの生徒の書いた英文を読み、間違いを指摘された表現は各自が確認をして修正をする。そうして表現が洗練され完成した英文は、さらに跡部先生が示した採点基準に基づいて他の10人の生徒にも読んでもらい、点数とコメントをつけてもらう。跡部先生は、上位の生徒の英文を公表する。すると生徒たちは、自分の書いた英文との違いを見比べることで再度学ぶことができるのだ。個別学習向きと思われがちなパソコンやデジタル教材を使いつつも、ここでは、他の生徒との協働学習も行っている。そこには跡部先生がつくりたいと考えた実践共同体が存在している。

 「課題の提出状況や学習履歴を目に見える形で残すことにより、他の生徒の進捗状況もわかり、生徒たちはお互いに学習意欲を高めています。1学期はRole Modelを担当した生徒に対して加点することで、生徒のやる気を促しましたが、2学期は加点をせずに、どれだけの生徒がRole Modelを務めようとするのかを見る予定です。Role Modelとなる生徒は、自身の役割を自覚することで友達の学習を支えるだけでなく、自身も自発的に学び始めるようになります」

 eラーニングは、このRole Modelという考え方を取り入れることで、集団での学習にも大いに活用できるシステムであることを、跡部先生の授業は証明しているといえるだろう。その中で、『旺文社・英検CAT』もまた、同校の学びをサポートするツールのひとつとして大きな役割を果たしている。

「成績で"男前"をめざせ!」
~チャート機能で生徒のやる気を引き出す~
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 実際に『旺文社・英検CAT』を活用している跡部先生の授業を拝見させていただいた。 今日の課題についての説明を終えたあと、チャート画面をセンターモニターに映し出し、『旺文社・英検CAT』の進捗状況を紹介し始めた。

 「この学校は、成績順位を公開することがないので、修得率のランキングや生徒の名前を目にすることは、いい意味で競争心を刺激することになります」
その言葉が示すとおり、自分たちの名前がセンターモニターへ映し出されると、生徒たちの目はそれに釘付けとなる。そんな生徒の様子を見ながら、『旺文社・英検CAT』を使った学習について、アドバイスを続けた。「文法ドリルで未修得が残っている人は、間違った問題の解説を読んで、それをノートに書き写しなさい。覚えられなければ、それを見ながらやってもいい。やれば修得ランプは必ずつきます。文法ドリルの課題は、出来なかった所をやっつけようという気持ちと忍耐力を見ているのです」

 実際に画面を操作しながら説明していくと「そうか、書き写してもいいのか」とつぶやく生徒の姿があった。生徒たちが熱心に取り組むのは、成績が表示されるからだけではない。ワークブック、シャドーイングの練習などの「時間と粘り強さが必要」となる課題についても、"頑張り"という抽象的な言葉ではなく、目で見て分かるよう、記録カードに日付スタンプを押し、集計される数値として明確にされるからだ。生徒たちは、一つの課題が終わると"英検CAT記録カード"に先生方から確認のスタンプをもらい、学期末に提出するとテストの点数にボーナス点が加算される。 同授業では、本文にも登場しているRole Modelという考え方を取り入れている。先生の検定を受け、応募資格を満たした生徒3~5名が課題ごとにRole Modelとなり、先生の代わりにシャドーイングの検定をしたり、わからないところを教えてあげたりしている。

 「Role Modelの人は、まだ終わっていない人に教えてあげて。答えを教えるんじゃないよ。一緒にやりながら"やり方"を教えるんだよ」

 あっと言う間に、授業も終盤となり、「じゃぁ、クラスの"男前"を紹介します。"男前"とは、イケメンのことではありません。英検CATの課題を頑張った人を紹介します」と、跡部先生。センターモニターには、再びチャートの一部が映し出された。今年度の終わりには、「みんなが"男前"」になっていてほしいと、願っている。

※記事中のご所属や職位は取材当時のものです。

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