学習院女子大学
学習者主体で学べるCALLシステムは英語学習に最適です
2010/03/30 掲載

- 国際文化交流学部英語コミュニケーション学科 ウィン・グン 准教授

- 国際文化交流学部英語コミュニケーション学科 萓 忠義 専任講師 (Ph.D.in Applied Linguistics)
学校法人学習院は2009年4月、学生向けクライアントPC1700台をシンクライアント端末に入れ替え、国内最大規模での運用を始めた。それに伴い、学習院女子大学ではCALL教室に『CaLabo EX』を導入。英語コミュニケーション学科をはじめとする外国語教育や留学生向けの日本語教育のほか、学生の課題学習まで幅広く活用されている。システムを効果的に活用して講義を展開する萓忠義専任講師とウィン・グン准教授の講義を訪ねた。
配布・提出、ペアレッスン機能を活用
この日の講義は「英語の発音を正しくできるようになる」ことが目標。まず、現状の発音を把握するため、「ファイル配布」機能を用いて3つの課題英文が配布された。
学生たちは各自、ヘッドセットを装着し、課題文を繰り返し声に出しては録音する。録音し終えた学生は「ファイル提出」機能で、よくできたものを順次提出する。教室前方のプロジェクタには、萓先生のデスクトップが映し出され、音声ファイルが次々と集まるのが見て取れる。全員分が集まったところで、音声を一つずつ再生し、学生の発音を確認した。
続いて、発音記号と単語を例示した資料が配布される。発音記号も、学生一人ひとりの画面に映すとはっきり見える。萓先生が解説を交えながら発音し、学生たちがリピートする。母音と子音を網羅すると、今度は「ペアレッスン」機能でランダムに組んだペアによる発音確認に。学生は互いの発音の正誤を指摘し合う。萓先生もペアごとの練習を「モニタ」して、間違いを正す。学生たちはこうした講義形式に慣れ親しみ、直感的で使いやすいと、『CaLabo EX』の機能を使いこなしている。その後、センテンス単位で発音の練習、確認のための課題、と授業が進んでいった。
デジタルメディア世代に見合う学習法を
「英語を話すことに恥ずかしさを感じる学生もいますが、最初は個別に録音することで緊張感を取り払い、徐々にペアワークへ移行しながら、最終的には人前で英語を話すことへの抵抗感をなくしています。その意味で、CALLシステムは語学学習には有用なツールです」と萓先生は述べた。また、「教壇にいながらにして、個々の学習進度を把握し、個別指導できるのが、教員にとっての利点」とし、「聞かれていることを悟られずにモニタリングできるので、学生は教員を意識せずに集中して学習に取り組めます。教員と学生それぞれにメリットがありますね」と、満足感を表した。
物心ついたときからデジタル機器に囲まれている学生たちは、「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代。そんな世代には、従来の紙ベースの学習法では物足りない。だからこそ、デジタル機器を活用し、彼らの生活スタイルやニーズに合う学習法を考案すべきだと、萓先生は強調する。
「言葉は時代とともに変化します。いま、学生たちはYouTubeなどの動画を通じて"生きた"英語に触れ、世界にはいろいろな国の人が話す英語があると知ることができます。そうした素材をWeb上で手軽に入手でき、Skypeなどを利用して外国人とのコミュニケーションを取りやすい時代になりました。本学ではCALLシステムは学内だけで使用していますが、いずれは自宅など、いつでもどこでも必要な教材を取り出して学び、コミュニケーションを楽しめる環境を整えていけたらと思います。」
時代が変われば、学びのスタイルも変わる。萓先生は新時代にふさわしい学習法を、これからも追い求める。
『ムービーテレコ』でニュース素材を転送し生きた英語を学ぶ
4技能をフル活用して学ぶ
『ムービーテレコ』を活用して講義を進めているのが、ウィン・グン准教授である。2年生対象の「Listening Comprehension III」受講者は全員、2年次に6カ月間のカナダ留学を体験しており(※)、英語の聞き取りや話すことにある程度慣れているという。講義では毎回、オンライン映像を教材として使用する。ウィン准教授は、政治や経済などの時事的話題を扱う海外ニュース報道、外国要人のスピーチ、インタビュー番組など、「タイムリー」な話題にこだわって素材を選んでいる。この日の講義では、オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞スピーチの音声と画像が転送された。しんと静まり返る教室で、学生たちはヘッドフォンを装着してモニタに見入り、注意深く音声に耳を傾ける。そして、自分が理解できた内容を要約し、それに対する意見や感想を話し合う。その後、ウィン准教授の作業画面で開いたスピーチ原稿をプロジェクタと学生のモニタに映し出し、各自が読みながら、聞き取れなかった単語やキーワードを書き出し、例文を作っていく。そうして全文に目を通したところで、1行ずつを再生しては声に出して読む。新出単語の意味や映像の内容を伝える際には、日本語に訳すのではなく、英語で別の表現に言い換えて説明する。そうして関連する語彙などもからめて、表現を増やしていく。一方的に説明するだけでなく、学生へ質問を投げかけて、学生の意見を引き出すよう心がけている。まさに、「聞く・書く・読む・話す」という4技能をフル活用して英語力を高めていく講義である。
(*)当日の取材対象学生は2年次の春学期にカナダ留学しました。
講義内容に応じた機能を効果的に使う
「『CaLabo EX』を使うことで、講義は効率的に進められるようになった」とウィン准教授は喜ぶ。機能が充実しているので、講義科目によって使う機能は決めているという。リスニングの場合は、音声を聴くことに集中させたいので「インターネット閲覧禁止」機能を使う。学生たちがディクテーションしている間は、「巡回モニタ」と「インカム」を使って、個別にアドバイスを送る。
「スピーチやニュースなどの音声を使用してディクテーションをする場合、案外聞き取りづらいのが、冠詞です。『ムービーテレコ』の『スピードコントロール』で再生速度を調整しながら聴かせることもあります。最初はゆっくりと、耳が慣れてきたら徐々にスピードアップしていくのです。学生たちはそうした機能も容易に使いこなしていますよ」。教員も学生も、システムを効果的に活用している様子だ。
「いまはインターネット時代ですから、できるだけ生きた素材を活用しながら、英語への興味を引き出せるような講義を組み立てています」とウィン准教授。「『ムービーテレコ』でインターネット上の映像がそのまま流せるようになると、さらに学習の効果があがるはずです。『CaLabo EX』の今後の発展が楽しみです」と期待を寄せている。
管理やサポートのしやすさにも満足 講義内容の発展という副産物も
「使い勝手の良さやデジタル教材、周辺ソフトも充実しているので、『CaLabo EX』を導入しました。管理者が少ない本学では、シンクライアントの導入で学内の300数十台の端末をデスクにいながら一括管理できるようになったことは大きい。『CaLabo EX』はシンクライアントシステム上でも安定稼動しています」と話すのは、システムを管理する岩城宏明准教授。
学生や教員のサポートにあたるサポートセンターの小田佳世子さんは、「システムの移行にあたり、トラブル対応に追われるかと思ったのですが、一度説明を受ければ理解でき、操作に関する質問は少なかったです。新学期が始まってから4週間、チエルの常駐サポートサービスを利用しましたが、導入後の手厚いサポート体制も、学内でスムーズにシステム移行ができた要因ですね」と話す。
同大では『CaLabo EX』の導入により、「ムービーテレコ教材の共有を通して教員同士の情報共有も進み、講義内容の充実まで図れた」という副産物さえもたらされている。
※記事中のご所属や職位は取材当時のものです。
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