教育とICT活用事例 CASE STUDIES

CALLを”特殊な機械”と捉えずに活用することがポイント

高校・大学
CaLaBo EX 2009年02月05日

流通科学大学は、2008年4月、フルデジタルCALLシステム「CaLabo EX」を6教室に導入。まだ1年未満だが、大いに利活用されていると伺い、商学部教授・東淳一先生を訪ねた。
早速、CALLシステムを活用した『英語Ⅱ』の講義を拝見。学生との絶妙なやりとりは実に圧巻、「CaLabo EX」の機能性の高さも改めて実感した。

流通科学大学
流通科学大学

 「流通科学大学」は、1988(昭和63)年、ダイエーグループ創設者の中内功氏によって設立された。「流通・マーケティング・実学」を教育の主柱に据え、実社会で役立つ学びを目指している。神戸研究学園都市(神戸市営地下鉄・学園都市駅を中心にした6大学1高専による学術都市)に位置し、同キャンパスに商学部、情報学部、サービス産業学部の3学部を有する。

流通科学大学
〒651-2188 兵庫県神戸市西区学園西町3-1

http://www.umds.ac.jp/

機能をあえて絞ることで学生の集中度をアップ

▲Moodleからリロードした教材ファイルでリスニングを行う。

東先生の担当科目『英語Ⅱ』は、サービス産業学部1年生を対象にした必修科目で、当日は上級クラスの授業が行われていた。
最初に展開されたのは、テキストを使ってのリスニング問題と英文のディクテーション。どちらも、Moodle(オープンソースのe-Learning学習管理システム)を利用したアクティビティだ。
東先生は、外国語教育でも特にe-Learningが専門で、講義での活用歴も長い。同校のMoodleは約4年前に東先生自身が設定したものだが、それ以前もコンテンツマネジメントシステムのさきがけで、オーストリアのグラーツ工科大学で開発されたHyperwaveという特殊なサーバーを利用して授業をされていたという。

「MoodleのWebページをリロードしてください」
東先生の指示で、学生たちがMoodleに登録された教材のファイルを読み込んだ。全員1年生だが、操作にはすっかり慣れている様子だ。東先生によると、学生たちがこのようにスムーズな操作ができるような状況に整えることは、CALL教室の活用にとってとても重要なことだという。
「学生が(CALL教室を)“一般的なツールとして普通にサッと使える”状況にしてあげるのは大事だと思います。“特殊な機械”という捉え方をさせると、やはり彼らもなかなか取っ付きにくいので。僕の場合は、“CALLで使うのはこのパターンとこれとこれだけ”という風にして限定するようにしています」
学生が操作に気を取られることなく、学習に集中できるようにするためには、このような態勢を整えることも必要だ。

学生を飽きさせない「短時間」のアクティビティ

▲音声/動画学習ツール・ムービーテレコを活用したディクテーション。

「いつものように早い者勝ちです」
東先生の呼びかけで、学生たちはMoodle内に設定された「単語・フレーズ集」に一斉に入力をし始めた。これは、テキストの単元ごとに作成しているという語い集で、学生が重要だと思ったり、意味が分からなかったりした語句を、インターネットの辞書等で調べて、Moodleに記録していくというもの。単語の重複登録は不可のため、早い者勝ちというわけだ。登録した語句は先生がチェックして通常点の評価対象にしているので、学生たちは競うように入力していた。

続いて行われたのは、先ほどよりもさらに聞き取りの難しい英文のディクテーション。単語の末尾の子音は、次の単語の最初の音と結びついて聞き取りにくくなることがある。英文の解答をする際、東先生は発音についての説明を加えた。
「“You can park your car, then move it to your front door.” frontとdoorを続けて言うのはなぜか分かるよね?」
指名された学生が、「同じ位置」と答えると、東先生が頷いた。
「tの時、舌の位置は上の方にきていますね。dはその位置から舌を離した時にド、ドゥという音になる。tとdの間を空けて発音するより、続けて言ったほうが自然ですね」
ポイントを教わった学生たちは、声をあげて発音練習を繰り返した。

ここまで、ひとつのアクティビティにかかった時間はそれぞれ5~10分ほど。これについて、東先生は次のように語った。
「ダラダラと長くしていると学生も飽きてしまうので、スモールステップで小刻みに進めています。Moodleの場合、次の問題をどこまで学生に見せるかを設定できるので、学生に『リロードしなさい』と指示して、適宜、次のファイルを読み込ませていました」
細かくアクティビティを刻んでいくのも、学生の関心を持続させるコツなのだろう。

CALLの魅力は、思いおもいに授業を構成できる自由度の高さ

▲学生の録音データをCaLabo EXの「ファイル配布/回収」機能で回収する。

先ほどの発音レッスンの仕上げとして、学生たちは「ムービーテレコ」で各自録音を行った。その間、東先生は「CaLabo EX」の『モニタ機能』で音声をチェック。学生の録音ファイルは、講義の最後に『回収機能』を使って東先生が指定したフォルダに収集した。
東先生は、毎回録音させたファイルを採点しているという。

「研究室に戻ってから再生して、10段階で付けています。今日は個人でしたが、ペアレッスンの録音を評価することもあります。Moodleでその評価の点数を入れておくと、学生は次の講義の時に自分の点数を見られるので、『なんでこんな点数なんだろう』とか、『もっと頑張っておけば良かった』とか言って、反省していますね」
評価を明確に、しかもスピーディーに示しているからこそ、学生の反応もより大きくなる。
最後に、CALL利用について感想を伺った。
「LL教室だとひとつのパターンの作業しかできませんが、パソコンがあると応用が利きます。僕の場合は、講義でMoodleとムービーテレコを組み合わせていますが、先生によっていろいろなやり方ができます。CALLは、そういう自由度が実に高いですよね」

  • 商学部教授

    東 淳一先生

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