教育とICT活用事例 CASE STUDIES

全校でICT活用に取り組む  -基礎学力の底上げに効くフラッシュ型教材

小・中学校
フラッシュ基礎 2008年12月25日

うっすら白く雪がかぶさる立山連峰。四季折々の美しさを見せるその山々は、この地を訪れる人々の心をとらえてやまない。11月28日午後、富山市立山室中部小学校で、ICT活用をテーマとした公開研究会が行われた。集まった参加者は、なんと県内外あわせて450名以上。小学校の公開研究会としては異例の参加者数を集めた理由は、もちろん学校が取り組んでいる研究テーマにある。「日常の授業における基礎的な学力向上のためのICT活用指導法の開発」が、山室中部小学校の研究テーマ。基礎的な学力向上と生活規律の確立のための指導法の開発について研究を進め、その手段として文字通り、日常的に、すべての教員がICTを活用した授業を行っている。

富山市立山室中部小学校
富山市立山室中部小学校

15分間のモジュール学習。子どもたちの大きな声が学校中に響き渡る。

山室中部小学校の公開研究会は、15分間のモジュール学習から始まった。基礎学力の底上げを図るべく活用しているのが、フラッシュ型教材だ。
フラッシュ型教材は、くり返し活用することで基礎基本の定着に効果があるICTの教材。山室中部小学校では、毎朝15分のモジュール学習の時間に、すべてのクラスでフラッシュ型教材を活用して、子どもたちに基礎基本を徹底させている。毎日その時間になると、学校中で子どもたちの大きな声が各クラスから響き渡る。 もはや山室中部小学校では、プロジェクタを利用したフラッシュ型教材の活用は当たり前なのだ。

モジュール学習で基本的な学習に取り組んだ後は、すぐに授業に入る。この日、公開授業を行っていたのは全部で12クラス。そのうちのひとつ、4年4組を担任する笹原克彦先生の授業に注目した。

授業は知識の確認から。もちろんフラッシュ型教材を活用して

授業はフラッシュ型教材でスタート。まずは授業に不可欠な知識の確認から。

この日の授業は社会科「県の様子」の単元。笹原先生は、授業の最初にまず再度フラッシュ型教材に取り組んだ。内容は、富山県の主な交通機関の名前や位置を地図上に示し、その名称を答えるというもの。子どもたちは、自分たちがよく知っている道路や鉄道の名前を大きな声で答えていた。ちょっと難しいな、というものがあっても、まわりの子どもたちが答えているのを聞いたりしながら、自然と言えるようになっていく。そして、自信がつき、声が大きくなる。

みんなが住んでる富山県を紹介しよう

笹原先生は、フラッシュ型教材で知識を確認させた後に、「ちょっとみんなに相談に乗ってほしいことがあるんだよね」と言いながら、「手紙」を取り出した。「(笹原)先生の先生」からもらったというその手紙の内容に、子どもたちは興味津々。笹原先生は、東京にいる「先生の先生」からの手紙を読み上げた。そこには、「宇奈月温泉という温泉や、砺波チューリップフェアというイベントにできれば行ってみたいと思っている」ということ、そして「そこまで、何に乗って行けばよいか」ということ、そして「富山の山の中の景色のいいところや、魚のおいしいところを教えてくれるとうれしい」ということが書かれていた。

グループ活動の様子を机間巡視する笹原先生。

子どもたちは、東京の先生からの依頼にやる気満々。まず、笹原先生は、「宇奈月温泉はどこにあるの?」「砺波チューリップフェアはどこでやってるんだっけ?」といいながら、子どもたちにそれぞれの名所の場所を地図で確認させた。そして「どうやっていけばいい?」と子どもたちに尋ねていった。高速道路やJR、地方鉄道など、選択肢はいくつかある。授業の最初に取り組んだフラッシュ型教材で交通機関やだいたいの路線が子どもたちの頭の中に入っているので、それがどこを通っているかを確認する手間を省き、経路選択にしっかり時間をかけられていた。

子どもたちは、自分たちも行ったことがある場所ばかりなので、「教えてあげる!」とばかりに、地図でたどった経路を見ながら、「JR北陸本線を使って城端線に乗り換えると速く着く!」「タクシーを使って高速道路で行く」とか、「トロッコ電車が景色が良い」などと、発表していった。笹原先生は、子どもたちの意見を整理して板書に書きとめ、子どもたちの思考の発展を支援していた。

名所と経路を決めて、ルートを選択。
フラッシュ型教材でおさえた知識が生かされる。

次に、子供たちは、「先生の先生」に紹介するための「山の中の景色のよいところ」「魚のおいしいところ」を考えた。どうしてその場所を選択したのか、その場所までどのような手段でいくのかもあわせて考えた。その後、各自が名所と経路をひとつ決め、どのルートをたどったのかを発表した。子どもたちは前に出て、実物投影機とプロジェクタで大きく映し出された地図帳を道路や経路を指し示しながら、自分たちの答えを発表していた。フラッシュ型教材でおさえた各交通機関の知識をベースとして笹原先生の発問を受け、子どもたちは、条件を踏まえて目的地に行くための経路を考えること、それぞれの地域同士のつながりを意識することができるようになっていったのだ。

子どもたちの意見の中には、魚のおいしいところは「滑川(ホタルイカ)」「氷見(ブリ)」、山の中の景色がいいところは「黒部峡谷(トロッコ電車、宇奈月温泉が近い)」というものがあった。どの目的地へも、ルートが複数あるが、子どもたちは、自分たちなりの理由を挙げて説明することができていた。最後に、笹原先生は「もうちょっと知りたいと思うこと」をノートに書かせ、次の単元へとつながる課題を子どもたちに意識させていた。

この日の授業について、笹原先生は次のようにコメントをしてくださった。
「『先生の先生』からの手紙では、「山の中の景色がいいところ」や「魚のおいしいところ」といった、特定されない条件が含まれています。それが、本時のポイントでした。条件が設定されていることにより、これまでに学習したことや、体験を踏まえて選択せざるを得なくなります。子どもたちは、ホタルイカ、ブリなどの海産物、トロッコ電車などの観光資源を理由としてあげていましたが、これらは富山県の地形の特徴や、主な産物など、以前に学習したことから考え出せているのだと思います。」

 

スクリーンに映し出されたものを指しながら説明する。山室中部小学校では「日常」の場面。

公開研当日、体育館に掲示されていた「生活習慣、学習習慣確立への取り組み」

 

フラッシュ型教材は、本時の授業に必要な知識をしっかり定着させるのに最適な教材である。笹原先生の授業は、子どもたちが身につけた知識をもとに考え、説明していることが見て取れるものであった。

山室中部小学校は、来年11月に第2回の公開研を予定している。来年もまた、すばらしい公開授業が行われるだろうと思うと、今からとても楽しみだ。

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