〜 教材の特性を活かして”耳”を鍛える 〜
【TOEIC(R)テスト 完全攻略 導入事例】
学校法人関東学院
関東学院大学
工学部 助教授 奥 聡一郎 先生
関東学院大学 金沢八景キャンパス(神奈川県)は、平潟湾を望む海辺にあります。
奥先生が担当する「資格英語」の講義にお伺いしたのは、夏休み間近の2004年7月7日。
マルチメディアタワー「フォーサイト21」と呼ばれる地下1階・地上10階建てのコンピュータネットワークが整備された校舎で、TOEIC(R)テストなどの資格試験取得を希望する学生を対象とした講義が、行われました。
■まずは”耳”のWarming up !
「はい、じゃぁ、まずは、10分程度、聞き取りをします。いつものとおり、質問と選択肢を聞き取ってファイルに保存してくださいね。今、分担を決めます。・・・」。奥先生の声が教室に響き渡りました。
学生が取り組もうとしているのは、Listening問題の問題文とその選択肢をDictationするという課題です。
学生たちは、奥先生の指示に従って、学内ネットワークに保存されている講義用フォルダにアクセスすると、英語による質問文とその選択肢が録音されている音声ファイルを再生して英文を聞き、聞き取った英文をキーボードを使って入力していきました。
” Listening問題を、ただ聞いて解答させるのではなく、一度Dictationさせることで耳を鍛える”。このような指導の工夫が、講義の中で何度も見受けられました。
■『TOEIC(R)テスト完全攻略』とワークシートを組み合わせて。
講義開始から15分、Dictationが終わると「では、『TOEIC(R)テスト完全攻略』を起動して、トレーニングモードの1〜20までを、まず一通り解いてみてください。解き終わったら、解説を見て分からない英単語をチェックして覚えましょう。最後に穴埋めの確認テストをします」という指示が、奥先生からだされました。
「学生たちが飽きてしまわないように、緊張感を保つ講義の構成が大切です」という言葉どおり、奥先生は、学生たちに、テンポよく課題を出していきます。
学生たちはヘッドフォンをつけると、慣れた手つきで『TOEIC(R)テスト完全攻略』を立ち上げ、問題を解いていきました。
一方で、奥先生にも、この時間を使って準備しなければならないことが2つありました。 一つは、Warming upとして学生が個々にDictationした英文を一つのファイルにまとめ、提示用の教材として加工すること。もう一つは、学生用パソコンから送信される学生の解答結果をリアルタイムで分析するツールを使って、『TOEIC(R)テスト完全攻略』を解いている学生の成績(正答率)を把握するのです。
このように、講義内に学生の成績を把握することで、奥先生は、『TOEIC(R)テスト完全攻略』に取り組んでいる学生の机を回り、適切なアドバイスを与えたり、質問に応えるなど個別指導を行っていました。
学生が一通り学習を終えたころを見計らって、『TOEIC(R)テスト完全攻略』の確認テストが行われました。このように学習活動の最後にテストを行うことは、学生の集中力と緊張感を持続させるとともに、学生が、より能動的に自分の到達度を振り返るきっかけを与えるように意図されたものでした。ソフトウェアによる学習が、その場かぎりの学習で終わらないように、学習成果の定着をねらったものなのです。
「知らない単語は聞き取れない。聞き取れない英単語は、話せません。きちんと答えられなかった英単語は意識して覚えましょう」とは、奥先生が講義の中で学生たちに強調した言葉です。
学習成果に伴う到達度を意識させ、自己評価を常に学生に問うことで学生が一つ先のレベルを目指すように導いている講義だと感じました。
■学生も教員も、講義は緊張感が大切
さて、本講義・最後の課題は、Warming upとして学生がDictationした英文(問題)の添削と、その問題文を基に正しい選択肢を解答するという活動です。
ここでは、奥先生が先程準備したファイルが、画面転送を使って、学生用パソコンに映し出されました。
すると、提示された英文(問題文)の英単語そのものやスペルなどの間違いが修正されるとともに、その問題文を基づいた解答を学生に求めるといったやりとりが展開されました。問題文をDictationした学生も、その英文を基に解答を指名された学生も、常に真剣な表情でディスプレイをみながら鉛筆を走らせています。
このように奥先生の講義では、90分間という時間が”あっ”という間に過ぎてしまいました。 奥先生が、常に充実感のある講義を続けているからこそ、学生は、本番の試験会場で、日ごろ鍛えた力を存分に発揮できるのだと感じました。