Case Studies

子どもの「?」が「!」に変わる。ICTなら何度でも、繰り返し、理解できるまで見せられる。

2008/05/13

小中

宮崎県三股町立勝岡小学校5年2組担任 渡邉光浩先生

【ICT活用レポート】

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授業の冒頭では、フラッシュ型教材を活用。「平行四辺形の面積を求める公式は? 台形は? 菱形は? 円は?」と次々発問し、短時間で復習とウォームアップを行う。

 今日の算数の授業は、「円の面積」のまとめ学習。「半径×半径×3.14」以外の方法で、円の面積の公式を求める方法を考える。
「以前、円を平行四辺形に変形して、面積を考える方法を学びましたね。覚えてるかな?」と、渡邉先生は電子情報ボードに図を映しだした。図を見て記憶が蘇ったのだろう。子どもたちは、うんうんとうなずいた。
「今日はこれ以外の方法で、円の面積を求める公式を考えてみましょう。まず最初に、ひもを巻いて円を作り、半径で切って広げる方法を考えましょう」

「ひもを巻いて円に?」「半径で切る?」と、首をかしげる子どもたち。
「口で説明するよりも、見た方がわかりやすいね」と、渡邉先生はアニメーション教材を映しだした。ひもをぐるぐる巻いて作った円を、ハサミがカット。ひもはほぐれ落ちて、三角形の形に積み上がった。「わぁ!三角形になった!」と、歓声が上がる。

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ICT教材を使って、既習事項を手早く復習。円を平行四辺形に変形して面積を求めたことを思い出させる

「ではこの三角形の底辺と高さは、元の円の何に相当するかな?」
 うーんと、再び考え込む子どもたち。その様子を見て、渡邉先生は再びアニメーション教材を動かし始めた。
「イメージできるまで何回でも見せるから、よく観察してね。こうするとわかりやすいかな?」と、電子情報ボード上に赤ペンで補助線を引いていく。2回、3回、4回……繰り返し教材を見せるうちに、教室のあちこちで小さな、しかし驚きに満ちたつぶやきが聞こえ始めた。
「そっか! 底辺は円周と等しいんだ!」「ああ、なるほど! 三角形の高さは円の半径と同じだ!」

 

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子どもたちの目の前で、ひもを巻いて作った円が三角形に変わっていく。プレゼン用マウスを用い、机間指導しながら繰り返し表示することで、一人ひとりの理解度をしっかりと把握していた。

 全員が納得したのを確認して、渡邉先生は黒板に式をまとめた。
「この方法だと、円周×半径÷2で、面積を求められるね。半径×半径×3.14の公式と一見違っているように見えるけど、計算してみてごらん? 同じになるね」
 続いて今度は、円をピザのように三角形で36等分し、一つの三角形に集めて面積を考える方法を学んだ。ここでも、アニメーション教材が活躍。子どもたちの顔に浮かんだ「?」マークはやがて「!」に変わり、「こんな方法でも面積を求められるんだ!」と、学ぶ喜びに満ちあふれていった。

「以前は紙の円を切ったり、木の教具を使って、円を分解すれば三角形になることを説明していたのですが、これではキレイな三角形にならないんです。だから納得できず、つまづいてしまう子どももいました」

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円を三角形に等分して面積を求める方法も考えた。板書も用いて理解を促す。

 しかしICTなら、円を細かく切ったり、ひも状にしてほぐしたりと自由自在。円が三角形に変形することを、リアルに実感できる。
「ICTなら、理解できるまで何度でも繰り返し見せるのが簡単。今日の授業でも、ピンと来ていない子どもがいなくなるまで、しつこいぐらいに見せました」

 円を三角形にして面積を考える方法は、教科書にも載っている。だが子どもたちの目の前で円を三角形へ変形して見せることで、よりわかりやすくなり、実感をともなった理解につながるという。

「ICTなら、授業準備の手間も軽減できます。今日使ったアニメーション教材も、算数の指導書に付属されているソフトを使っただけなので、準備時間は10分もかかっていません。またICTなら手軽に何度でも見せられ、子どもも理解しやすいので、授業もスムーズに進みます。今日も円の面積を求める方法を2パターンも学習できました。ICTがなかったら、1パターン学ぶのがやっとだったでしょうね」

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 保健の授業でも、ICTが活躍。「心の健康」を学ぶ単元では、参観日に子どもたちが発表した様子を撮影した写真を見せ、緊張すると体に変化が起きることを実感させた。さらに教科書のイラストを実物投影機で映し、心が体に与える影響を考える手助けとした。

 算数科だけでなく、全ての教科で日常的にICTを使っているという渡邉先生。子どもの学力も、着実に伸びているそうだ。
「ICTは気軽に活用できて、確実に子どもを伸ばすことができる。苦手意識を持たずに、使えることから始めればいいと思います」

 「?」が「!」に。ICT教材を繰り返し見るうちに、子どもたちの表情が劇的に変わっていく瞬間を目の当たりにし、「誰でも理解できる」ICTの力を実感した。

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