Case Studies

「情報教育」と「学校図書館」の幸福な関係。

2008/06/26

小中

静岡県静岡市立森下小学校6年1組担任・司書教諭 塩谷京子先生

【ICT活用レポート】
 

学校図書館から選んだ、最適の教材

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 子どもたちの手元には、常に辞書がある。新しい言葉や疑問に遭遇すると、すぐに辞書を引く習慣が身についている。付箋を使って自分なりに整理分類している子どもも数多く見られたdd>

 塩谷学級の子どもたちを見ていて、頭に浮かんだフレーズがある。「打てば響く」。「一を聞いて、十を知る」。それほど子どもたちは塩谷先生の問いかけや指導を即座に理解し、時には塩谷先生の期待以上の反応を見せていたのだ。
「私も、子どもたちの成長ぶりに日々ワクワクドキドキしています(笑)。指導の秘訣ですか? 子どもたちの学びを"点"で終わらせず、点と点をつなげて面や線にしていることでしょうか」
たとえば今回の単元も、意図的に総合的な学習の時間とリンクさせ、教科の枠を越えた横断的な学びにしている。また塩谷学級には小学3年生から中学3年生までの教科書が常備されており、「今学んでいることの土台を、3年生で学んだね」「中学1年生では、こういう学びに発展するんだよ」と、実物投影機で教科書を映し出し、学びの過去・現在・未来を連続的にイメージさせているという。
「子どもたちの頭に、"引き出し"を作ってあげるんです。さまざまな学びを自分なりに整理して頭の引き出しに格納し、時々ひっぱり出しては新たな情報を追加し、整理し直す。その機会を、意図的に作っているのです」
もちろん「外枠」重視の指導も、子どもたちを鍛えている。単元の基礎であり本質である「外枠」は、応用が利く。国語で学んだことを社会で、社会で学んだことを算数で活用させる。こういった指導を日々行うことで、子どもたちの学びは加速度的に深まり、学び同士がリンクする。
まさに、これは図書館なのだ。さまざまな学びを整理分類し、活用し、より便利なように再分類する。子どもたち一人ひとりの頭の中で、日々図書館が構築されていると言っていいだろう。

「教育の力って、すごいですね」。インタビューを終えて思わず感嘆のため息を漏らすと、塩谷先生は笑って付け加えてくれた。
「だからこそ教師はもっと勉強しなくちゃと日々感じています。自分が知らないことは、子どもに教えられませんからね」

【富山大学人間発達科学部准教授 高橋純先生の授業解説】

常に「学びのステップ」を意識しているのがポイントだ。ホンモノ体験が大事であることに惑わされれば、プロのガイドブックを使ってしまうだろう。しかし先輩の作品を参考にさせている。また、まずは「外枠」を重視する指導や、教室に小3〜中3の教科書を置くことも、学びのステップが何であるかを重視しているからだろう。

 

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