Case Studies

授業への集中力と意欲が高まり、理解も定着して、自信を深める。

2008/09/11

小中

札幌市立屯田南小学校

【フラッシュ型教材実践レポート】

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3年1組担任 神林裕子先生

「フラッシュ型教材を使い始めてまだ半年ですが、子どもたちは目に見えて確実に成長しています」
と、神林裕子先生は笑顔で語ってくれた。この日見学させていただいた英語活動でも、「あいさつ練習」や「リズム遊び」などでフラッシュ型教材が大活躍。どんな効果が上がっているのだろうか。
「まず、フラッシュ型教材を使うと子ども全員の顔が上がります。画面が切り替わるのを見逃すまいと目は釘付けになり、教師の発問に耳をそばだてる。紙のカード教材を使っていた頃に比べ、授業への集中力が格段に上がりました」

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 軽快なBGMとともに、挨拶の練習を行う。フラッシュ型教材が表示されるたびに、”Hello!& rdquo;”Good Morning”など元気のいい声が飛び出した。「音楽を流していた方が活気づくし、リズムに乗せて声を出しやすいんです」

 その結果、「教師の話を聞いていない」「見ていない」子どもが激減。指示が通りやすくなり、飲み込みも早くなったという。
「理解度の向上にも効果があります。たとえば”Do you like bears?”と言葉だけで質問しても、何を問われているのかわからない子もいる。でもクマのイラストと英文が入ったフラッシュ型教材を見せれば、イメージから質問の意図をつかめます。
英語活動は言葉のやりとりが中心になりがちですが、耳だけでなく目からも情報を得ることで理解しやすくなり、ビジュアルとしても記憶されるので定着も進みますね」
事実、フラッシュ型教材を使うことで、3年生はあっという間にローマ字をマスターしたという。

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“Do you like cheetahs?”と神林先生が問い、子どもは”Yes, I do!””No, I don’t!”と答える。子どもが質問して神林先生が答える、子ども同士で質問し答え合う等、一つの教材を様々な方法で活用していた。身振り手振りを交えることで、子どもの元気も引き出す

「子どもの学習進度や理解度に合わせて、一つの教材を自在に加工できるのも、ICTを使ったフラッシュ型教材ならではの良さ。パソコンで作るので、文字やイラスト、記号などを簡単に付け加えたり削除できます」
一つの教材を編集加工して、さまざまな方法で繰り返し学ぶことで、理解も深まりやすくなるそうだ。
そしてフラッシュ型教材は、授業を活性化して学習意欲も伸ばす。
「フラッシュ型教材を使うと、子どもが元気になるんです。授業がとても盛り上がる。パッパッとテンポよく切り替わるのが、楽しいようですね。英語の学習には恥ずかしがらずに声を出すことが欠かせませんが、全員が元気よく大きな声を出せています」
この日の授業でも、子どもたちは最初から最後までハキハキと笑顔で声を発していた。

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“Yes, I do!”と答えさせる時は「○」、”No, I don’t!”の時は「×」を表示させることで、英文の意味を理解しやすくなる。場面や目的に応じて自在に加工できるのも、フラッシュ型教材ならではの良さだ

 英語だけでなく、算数や社会科でも、フラッシュ型教材を使っているという神林先生。算数では計算問題の学習、国語では漢字の読みや対義語の練習、社会科では地図記号の学習などで効果を挙げているそうだ。
「フラッシュ型教材を使うようになって、子どもたちの表情に『自信』がみなぎってきた気がします。同じ問題や教材を、子どもの学習進度に合わせて、速度を変えたり加工したりと手を変え品を変え、『スパイラルに繰り返す』ことで、全員の理解の定着と深化が進む。それが、『自信』につながっているのではないでしょうか」

 「わずかの無駄もない、45分間」。神林先生の授業を見て、そんな言葉が思い浮かんだ。フラッシュ型教材から各種ゲームまで、盛りだくさんの活動がテンポよくスピーディに進行。子どもたちも最後まで集中力を切らすことなく、テキパキと取り組む姿が目に焼き付いた。フラッシュ型教材には、限られた授業時間を有効に使い、子どもの学習姿勢を鍛える効果もあるのだなと感じた。

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