Case Studies

スピード感のある講義展開で学生の集中力を高める

2008/09/29

高大

〜『ベーシック工業英語』と小テストを組み合わせて〜

【『ベーシック工業英語』 活用事例】

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関東学院大学 工学部
講義名:(B)資格英語2
助教授 奥 聡一郎先生

この講義を受講しているのは、2〜4年生までの資格試験取得を目指す学生40名。90分という講義時間の中で、学習・小テスト・解答/解説を1クールとした課題を3クールもこなす。かなりハードな内容だが、学生たちは、真剣な面持ちで取り組んでいた。

■ まずは、講義展開を把握させる

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▲「お知らせ」に講義の流れを表示

奥先生が、CHIeru.netの「Myテキスト」タブにある「お知らせ」を、学生用 パソコンに転送し、タイムスケジュールを説明するところから講義は始まった。
パソコンの画面には、”12:50-13:05 Unit15 形容詞・副詞の解答を終えてください”などと細かい指示が表示されている。”Unit15 ・・・”とは、教科書として活用されている『ベーシック工業英語』に収録されている章の一つでる。90分の講義の中で学習していく内容を、学生たちは確認していた。。

■ 自分のペースで学習がスタート

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▲学習に集中する

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▲”プリントアウト”を使って

イントロダクションが終わり、1回目の学習がスタートすると、学生の様子を見ていた奥先生から「ちゃんとメモを取りながら聞き取って。書くことも大切だよ」などと的確なアドバイスが飛ぶ。時には、「本番の試験でも、音声から書き取るテストをしますから、耳から(英語を)入れてください」などと、厳しい要求も。学生たちが、”Web教材を使って学習したつもり”だけで終わらないように声を掛けていくのだ。
Unitの中に収録されている単語・文法・ストラクチャー・ディクテーションなどの課題を、学生たちは、自分のペースでこなしていく。中には、基本文を暗記することに集中する学生も見られた。

■ 小テスト、そして採点

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▲小テストにチャレンジ

講義開始から15分が経過し、奥先生から小テスト用の用紙が配布された。問題は、学習範囲として指定されたUnitもしくはSceneから、”語彙””和訳””英訳”が出題される。
「では、ルームスピーカーから英単語を流します」という合図と共に、1回目の小テストが始まった。時間にして、約10分間。「前後左右で解答用紙を交換して」と奥先生が合図すると、今度は、正答提示とその解説に移った。

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▲解答用紙を交換して採点

学生用パソコンに正答が表示されると、1問ずつ振り返りながら解説が加えられる。
特に和訳・英訳については、「 “部品を交換します”が書けていれば3点です」「”How many laboratories do you have?”のうち、laboratoryを複数形にしていないと1点減点です」などと細かい配点が説明されていく。もちろん、単に配点の説明をしているわけではない。

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▲学生の質問に答えていく

「こうやって、細かく採点をすることにより、何が(作文する上で)大切なのか、ポイントが見えてくると思います。まずは、文の主述関係がきちんと書けているということが、作文のポイントですよ」という奥先生の言葉に、学生たちも納得していた。

 

■ 他人を通して、自分の理解度を深める

回収された1回目と2回目の解答用紙を比較してみると、2回目の方が得点の高い学生が、多いように見受けられた。この点について、奥先生は、「1回目の採点を経験してみて、自分なりの学習のポイントをつかむので、2回目の得点がアップするのだと思います」と話す。
その上で、学生の得点を上げるポイントを2つ挙げていただいた。
1つめは、3クールに分け、テンポ良く講義を進めることで、学生の意識を集中させること。2つめは、学生同士で採点し合うことで真剣に正答と向き合い、 “採点をする”という視点から、例えば文法を考えることで、その文法項目がより定着すると共に、自分自身としての学習ストラテジーを確立させること。
また、講義の中で活用されているWeb教材『ベーシック工業英語』について、奥先生は「収録されている全39課題(文法項目で分類されたUnit 25課題と実践的なScene 14課題)を終えることにより、学生は、達成感を感じ取ることができる。さらに、小テストと組み合わせることで、学生に緊張感をもって学習に取り組ませると同時に、自分なりの学習方法を模索させることができる」という学習効果を指摘した。
“工業英検を受験すること””小テストで、50%以上をクリアすること””定期考査で、50%以上をクリアすること”が単位認定の条件となっているという奥先生の講義。
奥先生の指導における様々な工夫と、学生たちの日々の努力が、英語力アップという結果に繋がると感じた。

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