Case Studies

通信状況を可視化して遅延防止など 快適なネットワークを支える

―岩手県―
盛岡市教育委員会

盛岡市教育委員会は、市内にある64の小中学校に高速大容量通信の校内無線LANを敷設するにあたり、無線通信可視化・安定化ソリューション「Tbridge®」を導入した。盛岡市教育委員会に、ネットワークアセスメント機能も有するTbridge®導入の経緯や活用方法を聞いた。

通信状況を可視化して遅延防止など快適なネットワークを支える
盛岡市教育委員会

盛岡市教育委員会
〒020-8532
岩手県盛岡市津志田14-37-2(都南分庁舎)
TEL:019-601-3685

無線LANの安定運用を可能にするソリューション

 中心市街地に歴史的な建物と川や公園など自然があり、わんこそばやジャズ喫茶などの文化が根付く街──。岩手県盛岡市は米『ニューヨーク・タイムズ紙』(2023年1月12日発行)で「2023年に行くべき52カ所」として取り上げられたことで全国的にも大きく注目を集めている。そんな盛岡市には小学校41校、中学校23校があり、児童生徒約2万人が在籍している。

 盛岡市教育委員会は2019年12月からスタートしたGIGAスクール構想を機に、市内の学校のICT化に本格的に取り組み始めた。全64校に高速大容量の通信ネットワークを整備するにあたり、盛岡市教育委員会が導入したのが「Tbridge®」だ。Tbridge®は安定的な無線LANの運用管理を可能にする最適化ソリューションで、無線LANのトラブルを自動的に解決し、通信速度を向上させる。

 盛岡市教育委員会 学校教育課 学校情報室長の菅原幸生氏は「スムーズで快適な通信ネットワークは、1人1台端末やクラウド活用などICT教育を進める上で重要な基盤になります。『速度が遅い』『よく切れる』『つながらない』といった状況をできる限り避けるためにTbridge®を採用しました」と明かす。

 実は学校現場ではTbridge®の存在をあまり認識していないと言う。「『どういう機器を使っているかはよく知らないけれど、インターネットが快適だ』という環境を整えることが重要だと思います。通信環境に関する問い合わせが少ない=1人1台端末を問題なく利用できているということなので、望ましい状態と言えるでしょう。Tbridge®は〝縁の下の力持ち〟として、盛岡市のGIGAスクール構想を支えてくれています」(菅原氏)

ロスやディレイ・再転送など
障害の有無が一目瞭然

 通信速度が著しく遅い、インターネットにつながりにくいなどネットワーク障害が発生した際、問題の現状把握が困難なことも少なくない。Tbridge®には無線通信を可視化するアセスメント機能があるため、ロスやディレイ・再転送といった障害の有無も一目瞭然だ。端末数やトラフィック量などの状態を把握して、問題の原因を突き止めたり、改善後の効果を確認したりできる。

シンプルで見やすいTbridge®の管理画面。
シンプルで見やすいTbridge®の管理画面。

 以前、盛岡市内の一部の学校でネットワーク遅延が問題になった時、Tbridge®が解決の糸口になったと言う。「アセスメント機能を使って、遅延が起こった学校のネットワークログを確認したところ、日中の授業を行う時間帯にアクセスが集中し、通信速度が遅くなっていました。そこから、ルーター機器の許容量に問題があると原因を導き出せたのです」(菅原氏)。Tbridge®はリアルタイムで1区間ごとのトラフィック量などが分かるので、問題をタイムリーに把握でき、迅速な解決につなげやすい。

 さらにTbridge®の管理画面やダッシュボードはユーザーインターフェース(UI)がシンプルで見やすく、使いやすいのもポイントだ。

各校のICT活用状況を計り
より良い授業運営に活かす

盛岡市内の魅力を探求する小学校での授業の様子。
盛岡市内の魅力を探求する小学校での授業の様子。

 Tbridge®のアセスメント機能は、学校ネットワークに不具合があった際の状況把握や原因追究に効果的なほか、今後は児童生徒の学習アセスメントに活用していくことも考えられるだろう。どの時間帯に何台の端末がインターネットにアクセスしているかといったデータが分かるので、各学校のICTの活用状況を計り、例えば「3、4時間目での利用が多いから、午前中の授業でもICTを活用した授業を増やしてはどうか」など、具体的な数値を基により良い授業運営について話し合うといったこともできるかもしれない。

 今後について菅原氏は「盛岡市で1人1台端末と高速ネットワーク環境が整ったのは2021年度末です。また、とりわけ先進的な取り組みをしていたり、予算が潤沢だったりするわけではありません。しかしながら、そういった状況をいかに打破して教育ICT環境を整備し、子供たちの学力向上につなげていくかが問われていると思います。子供たちの学びを第一に考えて、一つ一つ課題をクリアしていきたいです」と展望を語った。

 動画視聴や遠隔授業を行うことが増えれば、校内ネットワークの負荷はますます大きくなっていくと予想される。陰ながらICT環境を支えるTbridge®は、児童生徒の学びの充実にこれからも貢献し続けるだろう。

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