練馬区立中村西小学校では、2012年9月に『フラッシュ基礎・基本』や『フラッシュくりかえし漢字ドリル』を全教室に導入。導入直後の様子は『チエルマガジン2012年秋冬号』でもお伝えしたが、それから約1年半が経過した今、どんな変化が起きているだろうか。

練馬区立中村西小学校
東京都練馬区のICT活用研究指定校として、大型テレビやプロジェクタ、実物投影機、授業用PCなどのICT環境の整備を積極的に進め、授業での活用に取り組んできた。
〒176-0023 東京都練馬区中村北4-17-1
TEL 03-3990-4237
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毎日の「朝の会」で、児童がフラッシュ型教材を操作・進行!

 中村西小学校を1年半ぶりに訪れ、最初に発見した変化は、「児童がフラッシュ型教材をはじめ、デジタル教材をたくみに操作していること」だった。曾我泉先生が担任を務める5年2組では、毎日「朝の会」でフラッシュ型教材や『漢字デジドリル』(株式会社 教育同人社)に取り組んでいるが、操作や仕切りはすべて、係の子供に任せているのだ。

 この日の取材でも、係の男子児童が慣れた手つきでPCを操作し、「今日の漢字は、『冊』です」と、学習を進行していた。

 まずは熟語の練習だ。「分冊」「冊子」など、係がPCを操作して、「冊」を使った熟語をホワイトスクリーンに映し出す。それを見て、子供たちは、熟語を次々と読み上げていく。係が出題することにとまどっている子も、はやし立てる子もいない。係主導の活動が定着、定番化している証拠だろう。

 続いて、漢字の空書きに移る。書き順をアニメーションで見せる教材を使い、全員で空書きに取り組み始めると、それまでじっと様子を見守っていた曾我先生が動いた。

 「はい、ここはしっかりハネて!」。曾我先生は机の間を歩きながら一人一人の様子を観察し、できていない子供が多い箇所や、注意を払うべき箇所の指導を入れ始める。進行を子供に任せることで、先生は子供の様子観察と机間指導に力を割くことができるのだ。

 空書きの次は、実際にノートに書く活動だ。ホワイトスクリーンを見ながら、子供たちは「冊」という漢字とその熟語を、丁寧に書き取っていた。

 ここまでが、活動の1セットとなる。続いて係の児童が「二つ目の漢字は、『批』です」と、先程と同様に「批」が入った熟語の練習に取り掛かった。だが、最初の漢字も次の漢字も、6年生で習う漢字である。 

 「5年生ですが、前倒しで6年生の漢字を学習しています。『漢字デジドリル』があるから、どんどん進められるんですよ」と曾我先生は説明する。

漢字学習の予習・復習の活用の幅がさらに広がる

山本先生は世界地図のフラッシュ型教材を自作。

 続く国語の授業ではフラッシュ型教材が活用され、ここでも、さまざまな「変化」が見てとれた。使用したのは、『小学校のフラッシュくりかえし漢字ドリル』。PCを操作するのは、もちろん児童だ。

 「製品版のフラッシュ型教材は、メニューも操作もわかりやすいので、子供でも簡単に操作できます。これは製品版ならではのメリットだと思います」と、曾我先生は話す。

 最初に文章題の漢字読みを、フラッシュ型教材を見て、みんなで回答する。次に、漢字テスト問題を10問出題し、紙のドリルに答えを書いた後、答え合わせを行った。そして最後に、『くりかえし漢字ドリル』から印刷した漢字テストで復習に取り組んだのだが、その内容は1年生で習う漢字だった。

 「漢字は使わないと忘れてしまいます。特に、読みかたを忘れがちです。でも、フラッシュ型教材を使えば、前時の復習にとどまらず、以前の学年の復習も手軽にすぐできます」と述べる曾我先生。1年半前の導入直後もフラッシュ型教材を予習や復習に活用していたが、その幅がさらに広がっていたのである。

製品版を活用するだけでなく、フラッシュ型教材を自作する先生も


(上)嶋原先生の外国語活動の授業では自作のフラッシュ型教材を活用。
(下)埴田先生は『eTeachers』からダウンロードした教材をアレンジしていた。

 製品版にとどまらず、フラッシュ型教材を自作する先生も増えてきている。

 6年2組の社会科の授業で、担任の山本光先生は自作の世界地図を活用したユニークな実践を行っていた。世界地図の白地図を実物投影機で映しながら、山本先生が「この国の名前は?」と指し示して出題。さらにその問題を実物投影機で撮影して保存しておき、活動の最後に次々とテンポよく出題してまとめとしていた。このように、問題を出しながら、同時にフラッシュ型教材を作ることができているのだ。

 「子供の興味・関心のあるところや苦手なところに合わせて、重点的に取り組めるのが自作教材の良さですね」と、山本先生。「フラッシュ型教材のおかげで、知識の定着を短時間でできるようになりました。高学年は覚えなくてはならない知識量が多いので、助かっています」とも語った。

 6年1組では、嶋原純先生が、外国語活動で自作のフラッシュ型教材を使っていた。イラスト入りのさまざまな職業の英単語カードを見せて、最初はゆっくりとみんなで英単語を読み、2回目はスピードをアップ。そして3回目は、この単元のねらいである英語表現"What do you want to be?" "I want to be~."に慣れさせるために、職業名だけを答えるのではなく、"I want to be a soccer player."と答えさせていた。ねらいの英語表現に慣れておくことで、その後の学習活動がスムーズに行うことができるのだ。

『eTeachers』からダウンロードした教材をアレンジする先生も

 フラッシュ型教材のダウンロードサイト『eTeachers』からダウンロードしたフラッシュ型教材を、アレンジして使う先生も現れた。

 算数の少人数クラスを受け持つ埴田聡先生は、「重さをちがう単位で言いましょう」というフラッシュ型教材をダウンロードし、3年生に合った問題に差し替えて出題。最初は自信なさそうにしていた子供たちも、何回も取り組むうちに、自信に満ちた大きな声で答えるようになっていった。

 フラッシュ型教材の製品版を導入して約1年半。今では製品版の活用にとどまらず、『eTeachers』からダウンロードしたり、自作したりするなど教材の幅は広がった。また、子供に操作を任せて指導に注力するなど、先生方の使い方は確実に前進している。使用目的も直近の学びの予習・復習から拡大し、前の学年の復習や次の学年の予習にまで広がっている。

 中村西小学校では今後、研究指定校としての役割を果たすべく、ICTを導入・活用していく他校のために、「現場感覚を大切にした」情報発信にも取り組んでいく。

教材導入の経緯

●区などのICT研究指定校になり、大型テレビ、実物投影機、授業用PCを各教室に導入。さらに、ICTを日常的に授業で活用できる教材として、フラッシュ型教材の製品版を導入した。
●子供の学力向上・学習効果が期待されることから。

導入後の変化・成果

●先生方は、日常的に活用。製品版にとどまらず、『eTeachers』からダウンロードしたり、自作する先生も増えてきた。
●復習や予習の幅も拡大。直近の学びの予習・復習から、学年を越えた予習・復習へ。
●子供の学力も向上。都や区の学力調査で、全教科・全観点で平均を大幅に上回る。

課題と今後の展望

●これからICTを導入・活用していく他校のために、現場感覚を大切にした情報発信を行い、行政を後押ししたい。

子供の学力はさらに伸び、「授業が楽しい」と喜んでいます

福田 純子校長

 本校の児童の学力はもともと悪くなかったのですが、昨年から今年にかけてさらに伸びました。東京都および練馬区の学力調査でも、すべての教科、すべての観点で、全国平均を上回りました。児童へのアンケートでも、94%の子供が「勉強がよくわかる」と答え、90%が「授業が楽しい」と答えています。フラッシュ型教材などのICTを活用して、「わかる授業」を目指し、授業改善してきた成果が出ていると思います。

 先生方の意識も変わりました。今やICTは、チョークと同じように教室にあって当たり前のツールと先生方はとらえ、ノート指導や板書指導と同じように、ICT活用を指導に織り交ぜるようになりました。ICTの活用を特に強制はしていないのですが、先生方も自由に使っています。いいものは自ずと普及するものです。

 フラッシュ型教材は、保護者からも好評です。「視覚に訴えるのがわかりやすい」「見せたいものをパッと見せられる」と、感心してくださっています。保護者の方々は、お仕事でICTを使いこなしていますので、「学校は遅れてるなぁ」と呆れられないためにも、ICT整備と活用は必要なのです。

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