Case Studies

「忙しいからこそ、使うべき!」フラッシュ型教材で得する、3つのメリット

2008/05/13

小中

山形県米沢市立南原中学校

【フラッシュ型教材実践レポート】

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国語科担任 金隆子先生

 公立高校の入試を目前に控えた3年2組。受験直前の総ざらえとして金先生が選んだのは、やはりフラッシュ型教材だった。
「これは過去の入試問題の傾向をまとめたグラフです。品詞分類の出題率が高いのが、一目瞭然ですね。そこで今日は、品詞の復習をしておきましょう」
 試験に出ると聞かされ、生徒たちの目に真剣な光が宿る。
「『泣く』。これは何?」「動詞」「『涼しい』。これは?」「形容詞」
 黒板に貼られたスクリーンに単語や文節が映る度に、生徒たちは素早く答えていく。最初は少しためらいがちな声だったが、フラッシュ型教材を次々と答えるうちに記憶が蘇ったのだろう。すぐに「代名詞!」「形容詞!」「連体詞!」と、力強い声が教室に鳴り響き始めた。
「みんな思い出して来たみたいね」と、金先生はテンポよく出題していく。最初は体言の問題、次は用言、副詞・連体詞、接続詞・感動詞と進み、最後はミックス問題。1秒1問ペースで矢継ぎ早に出題される問題に、生徒たちは自信に満ちた表情で答え続けた。

 

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授業の冒頭では、「五月雨」「乳母」「浴衣」など、特別な読みをする漢字のフラッシュ型教材でウォームアップ。「受験間近でソワソワしている生徒の気持ちを、授業モードにスイッチさせるのがねらいです」

「みんなもう大丈夫。品詞の問題が入試で出ても、自信を持ってください」と、金先生は微笑みながら締めくくった。この間、わずか15分。たったこれだけの時間で、品詞分類の復習を完璧にこなしたのだ。
 もちろん、生徒たちがフラッシュ型教材に取り組むのは今日が初めてではない。ほぼ毎時間、今日のような品詞問題や新出漢字、熟語、対義語、同音異義語などの言語関連の問題に取り組んで来た。各単元に散らばっている言語関連の学習事項を全てフラッシュ型教材化し、少しずつ、繰り返し学んだのだ。
 

 一昨年の秋に使い始めて以来、すっかりフラッシュ型教材の虜になったという金先生に「フラッシュ型教材の良いところは何でしょう?」と尋ねると、「3つあります」と即答してくれた。

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 カードや板書で、黒板に要点をまとめておく。スクリーンに表示される問題を見つつ要点を確認できるので、スムーズに解ける。回答させたい箇所の文字色を変える工夫も。「見やすく、シンプルに。これがフラッシュ型教材を作るコツです」

?授業がはかどる!
「言語関連の学習は地味なので、生徒は敬遠しがち。でもフラッシュ型教材を使うようになって、生徒の集中力が高くなりました。みんな顔を上げて前を向いて、スクリーンを凝視しています。少しずつ短時間学ぶので、集中力も持続しやすいのでしょう。集中して取り組むので、授業がはかどる。言語関連の学習時間を短縮できるので、単元の学びに時間を割ける。週3時間しかない貴重な授業時間を効率よく使えるようになり、指導に余裕が出てきました」

?学びが定着する!
「言語関連事項は、一度学んだだけでは覚えられません。繰り返し何度も学ぶことで定着します。事実、フラッシュ型教材を使うようになって力がついてきました。特に暗記が苦手な生徒に効果的。最初は答えられなくても、周りの子につられて声を出しているうちに、自然と覚えているようです」

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 フラッシュ型教材の感想を生徒にアンケート調査したところ、「紙の教材よりも集中できる」「楽しく学習できる」「声を出しやすい」という問いに、「とてもそう思う」「そう思う」と回答した子どもが9割を超えたとか。「紙のプリントより早く覚えられる」「みんなで声を出すようになり、クラスの雰囲気が明るくなった」といった声も寄せられたそうだ。

?手間がかからない!
「フラッシュ型教材は、10分の休み時間でも作れます。一度作れば何度でも使い回しできますし、子どもの学習状況に合わせて変更するのも容易。紙でカードやプリントを作っていた頃に比べ、教材準備や授業準備の手間が減りましたし、子どもに合った教材を使えるようになりました」

「忙しいなら、ICTという便利な道具で授業を変えればいい。しかも子どもの力がつくのだから、使わない手はない。私もついこの間まで、メールすら送れなかったんですよ(笑)。忙しいからこそ、使うべきだと思います」

 わずかな時間で既習事項の記憶を呼び覚まして生徒に自信を与えたフラッシュ型教材の力と、金先生が積み重ねてきた日々の指導に、大きな感銘を受けた一日だった。

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