Case Studies

インタラクティブな学習環境で魅力的な講義にアップデート

―東京都―
専修大学

専修大学では、CaLabo®MXとCaLabo®Onlineの2024年4月からの本格活用に向け、学生も交えたトライアルを行っている。新しい学習支援システム導入に対する教員の不安やリクエストはどのようにクリアしたのか。キーマンの2人に検討内容や課題クリアの経緯を聞いた。

インタラクティブな学習環境で魅力的な講義にアップデート
専修大学

専修大学
生田キャンパス
〒214-8580 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1
神田キャンパス
〒101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8

1880(明治13)年創設。21世紀の目標を「社会知性の開発」と定め、学部・学科の新設や再編を積極的に推進。2010年の人間科学部新設を皮切りに、2019年には経営学部にビジネスデザイン学科を、文学部にジャーナリズム学科を開設。2020年からは国際コミュニケーション学部を新たに設置した。

語学系教員による専門委員会で実証実験を踏まえながら議論

 専修大学は、キャンパスDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、学生の学修選択・キャリア形成や教職員の研究・教育活動支援などを実装したデジタル教育研究システムの構築をグローカル的な視野で目指している。その実現の前提として、2023年度から個人所有のノートパソコンをキャンパスでの授業で利用する「BYOD」と、仮想デスクトップ基盤の「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」を導入した。

 BYODによって、学生は、数年おきに入れ替える大学のパソコンよりはるかに性能が良い最新かつ慣れた端末を使えたり、どこでも学習できたりする。また、VDIは、セキュリティ対策を講じつつ、大学が所有する専門ソフトウェアの最適なバージョンやハイスペックなバーチャルPCを、学生が所有するノートパソコンへ負荷をかけずに提供可能になる。

 専修大学では、BYODスタイルの学習支援システムとして、英語を始めとした語学系の講義には『CaLabo®MX』を、情報処理などそれ以外の講義には『CaLabo®Online』を採用した。両者とも2024年4月からの本格活用に向け、現在、学生も交えて講義やゼミでの実証実験(トライアル)を行っている。

 CaLabo®MXの導入に関しては、語学系教員で構成する外国語教育研修室委員会で約1年かけて議論を重ねた。従来の講義ではPCが並ぶCALL教室で、同教室向けの『CaLabo®EX』を活用していた。CaLabo®MXはノートパソコンやスマートフォンなど持ち運び可能な端末を利用するMALL型だが、もちろんCALL教室内でのPCによる授業でも活用可能だ。

 「多くの語学系の講義では、教材を作成し、学生に配布して、問題を解かせて理解を促し、最後にテストする流れで進みます。CaLabo®EXは導入後10年以上経っているので、教員の間では教材配布はこの機能、テストの時はこの機能を使うと定着しています。CaLabo®MXに切り替わることで、講義の流れを変えなければならないのかと心配に思う教員が少なくありませんでした」(専修大学国際コミュニケーション学部准教授 宮田宗彦先生)

教員の使いやすさを重視した新システムへの移行を推進

 委員会では、教員の使いやすさを重視した新システムへの移行を進めた。CaLabo®EXの動画学習ツール「ムービーテレコ」で編集した動画を教材として活用していた教員には、フリーの編集ソフトで動画を作成し、それをCaLabo®MXに搭載する方法を紹介した。対応言語は英語のほか、中国語やロシア語、ドイツ語、スペイン語などと幅広いため、教員はもちろん、多くの非常勤講師も「聞く」「読む」「話す」「書く」の語学4技能学習に活用しているという。

 「語学学習では、音声でコミュニケーション力を磨くのが重要といえるでしょう。トライアルでは、『音声教材からテキスト教材へ』『テキスト教材から音声教材へ』と自動変換するSTT(Speech to Text)/TTS(Text to Speech)機能が好評です」(宮田先生)

 一方、全学部の語学以外の科目で活用するCaLabo®Onlineの導入については、学部横断型の次期システム検討委員会で話し合った。さまざまな意見が出たが、特に関心を呼んだのは「ファイルの権限設定」である。

 「参加メンバーの多くは自身の講義で学習支援システム『CaLabo® LX』を使っています。CaLabo®LXは閲覧権限などについて教員専用、教員と対象学生のみ、教員と学生全員などファイル単位で設定できます。CaLabo®Onlineは、導入検討当初はCaLabo®LXのような細かい権限設定ができなかったのですが、教員から『配布したテスト問題を学生の手元に残したくない』という指摘がありました。そこでチエル社に相談し、CaLabo®OnlineでもCaLabo®LXと同じレベルの権限設定をできるようにしました」(専修大学情報科学センター長・商学部教授 髙橋裕先生)

 利用者目線で機能の追加・改変が容易なのは、クラウド型のCaLabo®MXとCaLabo®Onlineの強みといえるだろう。

学生にこれまで以上の価値を与えるにはどうすればよいか

 専修大学が、今回のCaLabo®MXとCaLabo®Onlineの導入をめぐる一連の議論で重視したのは「教員が学生に与える価値」だった。

 「両システムの導入により、パソコンを使った実習がCALL教室に代表される物理的制約から解放されます。これをきっかけに教員と学生がインタラクティブ(双方向)で学べる環境が進化すれば、より魅力的な講義にアップデートできるのではないでしょうか。話し合いで着地点が見えなくなった時は、どうすれば学生にこれまで以上の価値が与えられるかとの原点に立ち返り、教員が講義のスタイルを検討する、チエル社に機能を追加してもらうなどさまざまな対応策を検討しました」(髙橋先生)

 2つの学習支援システムの導入を契機に、講義も新しい時代に合わせた姿へ――。キャンパスDXに力を入れている専修大学では、教育活動のバージョンアップが急ピッチで進む。

専修大学
ページ トップ