Case Studies

アクティブラーニング型授業を支える確かなバックボーン『CaLabo LX』

安田学園中学校・高等学校は、進学校として特化するために、2012 年よりコースの再編成を行った。それに伴い、アクティブラーニング型の授業を実現できるPC教室へと再設計し、その授業支援システムとして『CaLabo LX』を導入した。

安田学園
中学校・高等学校

1923 年創立。2014 年、男女が共に学び合う中高一貫校として新たなスタートを切った。旧安田庭園と、横網町公園にはさまれた緑の多い環境の中にある校舎の正門からは、そびえたつ東京スカイツリーがよく見える。
〒130-8615
東京都墨田区横網2-2-25
TEL 03-3624-2666

『CaLabo LX』が可能にしたアクティブラーニング型教室

 進学校としてスタートを切ったばかりの同校のPC教室は、大きな窓から陽射しが差し込む、アクティブラーニング型のレイアウトになっている。現在、アクティブラーニング型のPC教室は2教室あり、それぞれの教室に無線LANが整備され、ノートPC、タブレットPCを使っての授業が行われる。

 この教室は、現在、二つのカリキュラムで使用されている。
①中高一貫《総合コース》1年~3年の「総合学習」
②中高一貫《総合コース》4年生と、高校《特進・進学コース》1年生の『情報』
がそれだ(左頁図のオレンジの部分)。

 中高一貫1年生の「総合学習」の研究テーマは、「企業研究」。地元、墨田区の会社に、生徒5人ほどのグループで、カメラとビデオを抱えて取材に行く。そのインタビューの課題も自分たちで決める。取材内容を、マイクロソフトのムービーメーカーを使用して編集、3分程度のビデオを作り、クラスでプレゼンテーションを行う。マイクロソフトに勤める卒業生が、ボランティアで生徒にソフトの使い方を指導する時間も用意されている。作品は、文化祭で発表される。

 創業230年を迎える米店の、ゴミを減らすための米袋再利用の話や、おいしいハムを作る方法を学びにドイツへ渡り、ハム店を創業した社長のストーリーが、生徒たちの手でまとめられている。

 「生徒が主体となる授業」が実現されているその裏には、授業を支える『CaLabo LX』と、「生徒に取材に行かせたい会社に、一件一件電話をして、先に頼んでおくんです」という松本温先生をはじめとした先生方の陰の支えがある。

 同じ授業形態で、中高一貫2年生はJICAなどの国際協力団体の研究、3年生は地域の研究を行う。2教室を同時に使うことのある3年生でも、一人の先生が、二つの教室のセグメントを一つにできる『CaLabo LX』の機能を使えば生徒の管理に問題はない。

 席を自由に移動して良いことになっている松本先生の授業では、授業の初めにはA教室にいた生徒が、後半はB教室にいた、ということが頻繁に起こるが、移動しても生徒の作業画面を常に見られるので、授業進行に支障は一切ないと言う。

 「生徒に自由にやらせるということは、その裏で生徒を管理できる確かなバックボーンが必要でした。PC教室の授業支援システムはたくさんありますが、机も椅子も自由に動かせる教室にするために、無線LAN対応の授業支援システムであることが必須でした」と、PC教室の再設計を中心になって行ってきた原健一先生は言う。

 無線LANに対応していることと、将来的にPCが得意でない先生方が使用することも見越して、操作が簡便でわかりやすいことから、『CaLabo LX』の導入を決定したという。

『CaLabo LX』を活用して生徒をガイドする授業

 授業中、松本先生はガイド役に徹する。生徒がインターネットで調査したり、自分たちで課題を決める過程を、「モニター機能」で観察する。全体的に生徒が行き詰まっていれば、「ブラックアウト」で一斉に生徒の注意を引き、説明をする。一部のグループが行き詰まっていれば、そのグループだけを「操作ロック」し、サポートする。

 ムービー制作の素材として、著作権に問題のない音楽をあらかじめ用意しておき、「ファイル配布」機能で一斉に送る。これも、ドラッグ&ドロップでの簡単な操作だ。
高等部の「情報」の授業で行われる「調べ学習」では、自分のキャリアパス計画のプレゼンテーションや、情報の信頼性をリサーチするカリキュラムが含まれる。例えば後者は、「レーシックの事故が50件」というニュースに対し、それが過去1か月で起こったのか、過去10年で起こったのかを調べ、発表する。

 「以前は、他の生徒のファイルをコピーして、名前だけ変えて、提出するような生徒がいたのですが、「ファイル回収機能」で、先生用のフォルダに自動回収できるので、そういう細かなところに気を配らなくてよくなりました」

他の教科からの利用希望が増加中

 「総合学習」や「情報」の授業で、アクティブラーニング型授業を実施し、生徒が主体となって学ぶ力を身につけていることが成果として見てとれることから、他の教科でも使いたいという声が上がり始めた。

 「現在は、PC教室と呼んでいますが、多目的に使用されるようになってきたら、『アクティブラーニング教室』や『学びの教室』など、名前を変える必要がありますね」と原先生は話す。

 来年、コースの再編成から初めての卒業生を輩出する。自分たちが主体となって学ぶ授業を受けた生徒たちが、どのような進路に進むのか、楽しみだ。

学生が制作した作品一覧

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