Case Studies

『英検CAT』は、英語学習のハードルを下げるための最適なツール

―東京都―
科学技術学園高等学校

科学技術学園高等学校では、中学校の学習内容の学び直しや通常授業への橋渡しを意図した1年次の「総合基礎CAT」の授業において、『旺文社・英検CAT』を活用している。「総合基礎CAT」の授業を訪れ、「英検対策だけではない」という導入目的や効果について、教務主幹の豊島正人先生に伺った。



科学技術学園高等学校
〒157-8562 東京都世田谷区成城1-11-1
TEL 03-5494-7711

公益財団法人日本科学技術振興財団により1963年に開校。昼間定時制課程のほか通信制課程(登校コース・通学コース・eラーニングコース)を設けており、幅広く生徒を受け入れている。生徒一人ひとりが「わかる」喜びを感じられるよう、きめ細やかなサポートを行う。2018年度には昼間定時制課程に「理数クラス」が新設される。

自分で学習を組み立て課題に取り組む「総合基礎CAT」

 1年次の「総合基礎A」は、中学校から高等学校の学習内容への橋渡しとして、科学技術学園高等学校が独自に設定している科目だ。担任と面談をして各自が学習計画を立て、それに基づいて学習を進めていく。教務主幹の豊島正人先生は、「自分がわかるところから始め、自分のペースで学習を組み立てていくことができるため、中学校の学習内容でつまずいてしまった生徒も安心して学び直しができます。わかる喜びや『できた』という達成感を味わうことが、次のステップにつながっています」と説明する。

 『旺文社・英検CAT』が活用されているのは、週5時間ある「総合基礎A」のうちの1時間、その名も「総合基礎CAT」の授業だ。授業が行われているパソコン教室を訪れると、生徒たちは黙々と課題に取り組んでいた。パソコンに向かっている生徒もいれば、プリントや問題集を解いている生徒もいる。「総合基礎CAT」の授業では、『旺文社・英検CAT』のほか、eラーニング教材、プリント、実力テスト対策問題集の中から、自分がその日やろうと思うものを選び、各自で取り組む。ただし、やみくもに問題を解くのではなく、「学習」と「振り返り」をセットで行うことが条件だ。

 『旺文社・英検CAT』には全体の3割程度が取り組んでいた。「語いクイズ」や「文法ドリル」でトレーニングをする生徒が多い。パソコンに向かって問題を解きながら、時折、手元の紙に単語などを書き込んでいる。この紙は、教員が独自に作成した『旺文社・英検CAT』用の振り返りシートだ。「今日挑戦した級」「今日学習した内容」「覚えておく単語(3つ)」「覚えておく文章(1文)」「次回の学習(予定)」の項目があり、生徒はこれらを埋めていく。授業後にはシートをファイルに綴じ、次回までに振り返りをすることになっている。

 「総合基礎CAT」は、クラス担任の先生と、普段は通信制課程を担当する先生とのTT(Team Teaching)で行われる。同校では生徒一人ひとりとの面談を重視しており、「総合基礎CAT」などの授業時間を使って1時間に2、3名ずつ個人面談をする。面談では、生徒と担任が学習目標や学習への取り組み方を話し合い、生徒の進捗状況を確認したうえで、担任が今後のアドバイスをしていく。担任が生徒と面談をしている間は、もう一人の先生が教室を回りながら生徒の進捗状況をチェックし、声掛けをする。ときには生徒から積極的に質問をする姿も見られた。

“取り組みやすさ”が生徒の学習意欲を高める


 同校が『旺文社・英検CAT』を導入したのは約5年前のこと。以前より1年次の第3回検定の実用英語技能検定(英検)を全員受験としており、その対策教材としての意味合いもあったが、最大の目的は勉強の苦手な層へのアプローチだった。豊島先生は、「『旺文社・英検CAT』は英語学習のハードルを下げるために最適なツールだと感じています。勉強が苦手な生徒にとって、机に向かって勉強することは苦痛なものです。それがパソコンとマウス操作でできるというだけで取り組みやすくなり、どれだけやったかが『学習の記録』などで目に見えてわかるので、達成感も得られます」と、その取り組みやすさを強調する。

 導入後、一時期は英語の授業の家庭学習課題として『旺文社・英検CAT』を出したこともあった。いつも取り組んでくる生徒はきちんと学習してきたが、英語が嫌いな子や勉強が苦手な子が取り組まなくなってしまったという。そこで「総合基礎CAT」の時間を設け、授業で取り組む現在のスタイルに変えた。「授業でみんなが取り組んでいたら、自分もやらなくてはと思う。『みんなでやる』というのは、やはり大きいですね」と、豊島先生は授業で取り組む効果を実感している。

 また、なかには読み書きは苦手でも、リスニングならできるという生徒もいる。「多様なコンテンツから自分ができるものを選んで取り組めるというのもメリットだと感じています。実際、中学時代に英文法でつまずきながらも、『旺文社・英検CAT』で少しずつわかるようになってきたと喜ぶ生徒もいます」と豊島先生は笑顔を見せる。

 同校では、2年前より生徒に一人1台タブレット端末を配布(レンタル)しており、『旺文社・英検CAT』が新バージョンになった2017年からは、タブレット端末での利用も推進している。「いつでもどこでも『旺文社・英検CAT』で学習できる環境にあるので、英検直前に集中して取り組むだけでなく、普段使いの英語学習ツールとして浸透させていきたいと考えています。また、せっかく優れたコンテンツがあるのですから、英語力が比較的高い層にも、さらに活用してもらいたいですね」と豊島先生。『旺文社・英検CAT』が幅広い学力層の生徒にとってより身近なものになり、活用が広がる方法を模索している。

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