Case Studies

一人ひとりの目標に合わせて ~『旺文社・英検CAT』の活用~

―山口県―
サビエル高等学校

サビエル高等学校では、昨年、全教室にWiFi環境を整備するなど大々的なICT環境整備を行った。また、大学入試改革に向けた英語の外部試験対策として『旺文社・英検CAT』を導入。「サビエルメソッド」を掲げ、英語教育により力を入れようと舵を切った同校を取材した。

一人ひとりの目標に合わせて
サビエル高等学校

サビエル高等学校
〒756-0080
山口県山陽小野田市揥山三丁目5-1

1962(昭和37)年、キリスト・イエズス宣教会を母体に小野田女子学院高等学校として発足。2002年から男女共学となる。英語教育に力を入れ、海外での語学研修や留学生の受け入れも積極的に行っている。

ICT環境整備と『旺文社・英検CAT』の導入

 サビエル高等学校では、昨年、全教室にプロジェクターと電子黒板、WiFi環境を一斉に整備した。また、今年4月には生徒に一人1台のタブレットPCを配布し、チエルの『旺文社・英検CAT』を導入した。さらに、被服室だった教室は、大きな机を処分して可動式の机といすを配備し「イングリッシュ・ルーム」として生まれ変わった。「学校のICT環境整備というと段階的に行う例が多いと聞きますが、様々なICTを組み合わせて使える方が便利だと思い、本校では短期間で一斉に行いました」と原田事務長が導入を振り返る。

 取材当日、「イングリッシュ・ルーム」では、1年生の生徒たちによる英語のプレゼンテーションが行われていた。自分たちの好きな歌やアーティストについて、電子黒板にスライドショーを映したり歌を歌ったりして教室を盛り上げる。今年度から、英語表現の授業は、ネイティブ3人体制で運営されている。「教員免許を持っているネイティブもいるので、ネイティブのみで授業をすることが可能になりました。生徒も自然と英語で話すようになります」と校長の松原先生。

大学入試改革と英検対策講座

 サビエル高校では「卒業までに全員が英検2級以上取得」を目標に掲げている。『旺文社・英検CAT』を導入した経緯を英語科の梅岡先生に伺った。「大学入試で外部試験の利用が始まることを受け、英検対策講座を実施することになりました。ところが、受検級でクラスを分けるとなると、最もニーズの高い準2級クラスは生徒が100人を超えることが予想されます。その人数で講義形式の授業をして効果があるのか、という疑問がありました。『旺文社・英検CAT』なら生徒一人ひとりが自分の目標の級に合わせて学習を進められますし、語いクイズ・文法ドリル・リスニングから自分の弱点に合ったトレーニングに取り組める点もいいと思いました」

 タブレットPCは持ち帰りを許可しているため、家庭学習でも利用できる。さらに、週に1度の英検対策講座では、クラス全員が『旺文社・英検CAT』を使って50分間学習をする。基本的に先生は指示をせず、文法の問題を解き進める生徒や、イヤホンをつけてリスニングに取り組む生徒など様々だ。

 1、2年生は1月に、3年生は6月に、準会場となっている本校で英検を受検する。「2016年度から英検にCSEスコアが導入され、合否だけではない尺度が加わりました。生徒たちにとっての目標は”合格”ですが、私たち教員はCSEスコアで生徒の学習の成果を見ることもできます」と梅岡先生。生徒の自主性に任せつつも、学習の成果を把握できる安心感があるようだ。

フィルタリングソフトによる制限

サビエル高等学校

 生徒に一人1台のタブレットPCを用意し、しかも持ち帰りを行うにあたり、チエルのフィルタリングソフト『InterSafe』も導入した。フィルタリングを管理する原田事務長は、「許可されたIDでビデオ通話アプリを利用できる以外は、SNSや通話機能のあるアプリには制限をかけています。動画も禁止です。有害な動画の視聴を防ぐという目的もありますが、LTEを利用するためデータ通信量にも配慮が必要です」と話す。制限をかけているからこそ、使い方を安心して生徒に任せられるようだ。

英語を使う場面があるからこそ

サビエル高等学校

 学校の様々な改革の中で生徒たちの様子は大きく変わってきたという。

 冒頭で紹介した「英語表現」は1年生の必修授業で、週に1コマにもかかわらず、6月には英語でプレゼンができるまでになっていた。

 更に2年次から選択科目としてネイティブによる「英語演習」などの授業があり、英語でミュージカルを作り上げるという。「英語で歌ったりプレゼンしたり、生徒はみな本当に楽しそうです。ネイティブとの会話は常に英語なので、堂々と表現できるようになってきました」という梅岡先生に、「英語であいさつしてくれる生徒もいますよ」と原田事務長。

 「英語は道具です。道具を持つと使いたくなるのは当然です」と松原校長は言う。ビデオ通話アプリを使って語学研修先のアメリカの学校の生徒と事前の顔合わせをした生徒もいる。

 実際に使う場面があるからこそ学習へのモチベーションが維持される。英検合格を通過点として力をつけていく生徒たちにとって、自分のレベルや弱点に合わせて取り組める『旺文社・英検CAT』は最適なツールといえそうだ。

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