Case Studies

情報社会を英語で読み取る ~『ABLish®』を情報教育に活用~

2018/11/28

高大

―広島県―
広島文教女子大学附属高等学校

広島文教女子大学附属高等学校では、2016年度から生徒一人1台のタブレットPCを導入。校内の無線LAN環境も整備し、ICTの活用に意欲的に取り組んでいる。本年度4月よりチエルの英語学習教材を導入した同校を取材し、導入に至るまでの経緯や授業での活用状況についてお話を伺った。

情報社会を英語で読み取る
広島文教女子大学附属高等学校

広島文教女子大学附属高等学校
〒731-0222 広島市安佐北区可部東1-2-3

「真理を究め正義に生き、勤労を愛する人になりましょう」「責任感の強いたくましい実践力のある人になりましょう」「謙虚で優雅な人になりましょう」を学園訓とする女子校。生徒一人ひとりがタブレットPCをもち、学校内だけでなく自宅学習における活用も積極的に進められている。

校内のICT環境

 「ICT環境の早期充実は、これからの学校が生き残る術」として、広島文教女子大学附属高等学校はICT環境の整備を積極的に進めてきた。4年前に教員全員にタブレットPCを支給。校内の無線LAN環境を整備し、その翌年には生徒に一人1台のタブレットPCを導入した。現在、教室には電子黒板機能付きのプロジェクターも完備されている。

 これらのICT機器は、当初は教材を大型スクリーンに提示する目的のみで使われていたが、ICTに対する教員の経験値が上がり、さらに新たな学習教材の導入に伴って、徐々に活用が進んでいる。

教材をカスタマイズできる魅力

 昨年度まで本校では他社のスピーキング学習アプリを使っていたが、「より授業に適した使い勝手の良い教材を」と、本年度よりチエルの『CaLabo Language』と『ABLish』の導入に踏み切った。

 「チエルのスピーキング学習システム『CaLabo Language』は、TTS機能により、各教員が授業内容に合った教材を簡単に自作できるところが魅力です」と話すのは、同校でICT推進委員長を務める英語科の横山先生だ。

 たとえば映画の中のセリフを教材に取り入れてスピーキング練習に用いると、英語に苦手意識をもつ生徒でも興味が湧きやすく、学習へのモチベーション維持につながるという。

情報教育への活用

広島文教女子大学附属高等学校

 横山先生は、情報の免許も取得し、現在は「英語」と「情報英語」の授業を受け持つ。通常の英語の授業では、前述のように『CaLabo Language』を活用。生徒はタブレットPCを自宅に持ち帰り、スピーキング練習をする。

 一方で、「情報英語」の授業に活用されているのは、英語ニュース教材の『ABLish』だ。グローバルなニュースに英語で触れることができるだけでなく、さらに前述の『CaLabo Language』との連携により、発音練習をすることもできる点が校内で高く評価されているという。

 授業の開始とともに、生徒たちは各自のタブレットPCで『ABLish』にアクセスし、先生が指定した記事を開く。『ABLish』は毎週3つの最新ニュースが配信される仕組みだが、横山先生が用いるのはICTに関連するニュースだ。今回用いたのは、"Japan Post and Two US Companies to Launch Senior IT Services" というタイトルのニュース。日本郵政とアメリカのIT企業2社が協力し、タブレットPCの活用で高齢者の生活をサポートするシステムづくりに着手する、という内容であった。

 生徒たちは最初の15分間で、記事に目を通しながら、付随するクイズに挑戦。横山先生は教員用タブレットPCにて、生徒の理解度をリアルタイムで確認していく。全員が解答を送信したところで、内容の確認に移った。

 そこからさらに、「身の回りにあるICTを挙げてみよう」と、情報教育の要素を強くする。「タブレットPC、スマートフォン、パソコン、POSシステム、カーナビ」などが挙げられたところで、もう一度『ABLish』に戻り、その中の「課題」を開くように指示。課題は、それぞれの記事ごとに教員が自由に設定できるシステムだ。

 「みなさんは、ICTを用いて人々がより快適に過ごせるように、どのようなサービスをつくりますか?」

 この課題に対して、生徒たちは思い思いの内容をタブレットPCに入力していく。

 ここでチャイムが鳴り、「次回の授業までに提出するように」と先生は授業を締めくくった。

広島文教女子大学附属高等学校

誰よりも前に

 「広島県で、ここまでICTや英語に力を入れている学校は他にないでしょうね」と横山先生は語る。しかし、「やっていないこと」、「できること」がまだまだあるという。

 「ICTをもっと活用していきたい。そうすることで、常に県内の高校を牽引するような存在でありたいんです」

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