Case Studies

市内52校、15,000名の生徒から教職員、行政までを網羅したフィルタリングサービスを運用

弘前市教育委員会が運営する「弘前市総合学習センター」では、市内の小中学校と行政を対象にした大規模な地域ネットワークを構築。インターネット接続サービス提供の当初からURLフィルタリングを導入し、利用環境の整備に取り組んでいる。

学校、行政を網羅するインターネット接続サービス

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田村嘉基氏

弘前市教育委員会「弘前市総合学習センター」(以降学習センター)では、生涯学習を支援するネットワークシステムとして、平成11 年に光ファイバー網によるネットワーク環境を整備。市内52校15,000 名の児童生徒をはじめ、教職員、行政、公共施設までを一括してカバーするインターネット接続サービスを提供している。

システム構成は「弘前市内46校が光ファイバー接続で、その他も今年度内には光ファイバーにする予定で、光接続ができない学校には隣接する学校から無線 LANで結んでいるほか、重要な拠点間も光接続と無線LAN で二重化しています」(弘前市教育委員会 弘前市総合学習センター学習情報係係長 田村嘉基氏)と、大規模なものだ。

ネットワーク整備と同時にフィルタリングを導入

学習センターでは、このインターネット接続サービスの構想当初から安全なインターネット接続環境の実現を必須条件としており、ゲートウェイでのウイルス対策とURLフィルタリングをシステム構築と同時に導入した。 「URL フィルタリングについては、児童生徒を対象にスタートしましたが、どうせなら全部やろうということで現在は教職員、行政、公共施設までをカバーしています。ウイルスが入ってきても困るし、外に漏れても困るので、他に迷惑をかけない環境をつくるべく、プロキシサーバにウイルス対策ソフトウェアも導入しています」(田村氏)

東北地方のみならず、地方公共団体のモデルともなる、先進的なネットワークセキュリティ環境といえるだろう。

フィルタリング精度と即応性でInterSafeを採用

学習センターがネットワーク構築と同時に導入したURLフィルタリングソフトウェアは、海外ベンダ某社の製品だった。しかし、サポートレスポンスの遅れや、日本語サイトのフィルタリング精度の低さ、コスト高などの問題から、国内ベンダの某社製品へと変更するに至る。

「フィルタリングの穴があったりして精度がいまひとつでした」と田村氏。「やはり子供たちが使うキーワードは当然日本語ですから、日本語にきちっと対応したフィルタリングシステムが必要だろうと考えました」

ところが、値段や機能、サポートを考慮して選択したはずの国内某ベンダのフィルタリング製品も、運用2年ほどで壁にぶつかる。ある深刻なトラブルが発生した際、同製品ベンダのサポート上の問題から、トラブル解決に非常に苦労したのだ。

この時点で、学習センターでは同製品の継続運用をほぼ断念。ちょうどそこへInterSafeの提案があり「一気に導入の話が進んだ次第です」と木村氏はInterSafe導入時(2005年3月)の舞台裏を語った。

InterSafeの設定機能と柔軟な運用性に満足

学習センターでのInterSafe導入後の運用状況はすこぶる順調だ。「InterSafeはきめ細かなフィルタリング設定ができて非常に助かっています」と田村氏。

「たとえば、掲示板というカテゴリに対して、見ることはできるが書き込みはできないという設定機能はInterSafeで初めて出会いましたし、即応性についても先日問題のある書き込みがあって緊急に対応しなければならない事案がありましたが、対応は迅速で大変満足しています」とInterSafeを高く評価する。

この学習センターのネットワークは、学校のみならず地域の行政全般を支える基盤であることから、ハードウェア障害などによるサービス停止は許されない。そのため、同センターのフィルタリングシステムも児童生徒、行政系、教職員、一般開放、管理用というグループ別に5台のプロキシ構成で冗長化を図っている。

「ハードウェアは壊れることもあるということを想定した上で、仮にトラブルで1台、2台のプロキシがダウンしてもサービスが停止しないように冗長化してあります。InterSafeはプロキシの設定を変えれば別のサーバで代行できるので、とても助かります」(田村氏)と、InterSafeの運用上の柔軟性にも合格点を付けた。

セキュリティポリシーでトラブルも迅速に解決

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木村幸生氏

システム構成の工夫ともども、学習センターはURLフィルタリングの運用で着実に実績を積み重ねている。いち早く作成した学校向けのセキュリティポリシーにより、つい先頃の書き込みをめぐるトラブルでも迅速に対処。関係各方面から高い評価を得たという。

「ポリシー作成の際、InterSafeには学校向けの標準的なガイドラインがあったので、とても助かりました」(弘前市教育委員会 弘前市総合学習センター 学習情報係 主事 木村幸生氏)

URLフィルタリングのスタート当初は、アダルト系サイトのブロックが中心課題であったが、最近は書き込み系サイトの対策が主要課題となりつつあるとのことだ。

「中学校では修学旅行の前にコンピュータ室を解放して目的地を調べさせる”調べ学習”というものを盛んにやっています。ドメインを教育委員会が管理している立場上、その過程で他の自治体に迷惑をかけるような書き込みがあっては困るのでとても気を遣っています」(田村氏)

同センターではセキュリティポリシー作成から1 年を経たところで、近々に各学校の担当者による意見交換会開催を予定しているという。最近では、弘前市の評判を聞きつけた地方自治体からの視察も多いとのことで、教育、行政のインターネットセキュリティのモデルケースとして、今後ますます注目を集めることになりそうだ。

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