Case Studies

音声・映像のリアルタイム転送が『CaLabo EX』導入の決め手。ICTの利活用で、学部全体の授業効率を高めたい!

『CaLabo EX』と『CaLabo Bridge』の連携に加え、自学自習できるeラーニング教材『スーパー英語』も導入している吉備国際大学外国語学部では、教員の積極的な活用を促すために、「CALL教員研修」を開催している。これまでに、8回に及ぶ『CaLabo EX』の研修を終え、新年度からは『CaLabo Bridge』の教員研修を予定している。

吉備国際大学
2014年春に開設された外国語学部外国学科。「外国語学科」ではなく、あえて「外国学科」としたのは、語学の修得だけが目的ではないことを明確にするため。日本と外国に関する幅広い教養を培い、グローバル社会の発展に貢献できる人材の養成を目指している。

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外国語学部の開設に伴い、CALL教室を構築

 外国語学部開設に伴うCALL教室の構築にあたり、佐藤匡教授は、2013年から2年連続して、『教育ITソリューションEXPO(東京)』 を視察して、CALLシステムを徹底的に研究した。


上:『CaLabo EX』が導入されたCALL 教室にはコンピューターが100台配置され、『CaLabo Bridge』や『スーパー英語』を利用して自学自習ができる
下:図書館に隣接するラーニングコモンズ、自修道場

 『CaLabo EX』が、PCとLANで、映像と音声を伝送するフルデジタル仕様であることをチエルの営業担当から説明を受け、「専用の機械を使わずに導入できるところが気に入った」と、2014年1月にはデモ機を設置。

 「ただ、音声の遅延が心配でした。スカイプやLINEで時々起こる、音声や画像を送る時の遅延は、授業の進行の上でストレスになりますよね。高価な機材を導入してからでは手遅れになりますので、最も慎重になりました。遅延が実用範囲であれば不慣れな先生でもLL教室としてすぐに使ってもらえますから」と佐藤教授。

 50台のパソコンが同時にアクセスするCALL教室で、音声の遅延が授業に影響を及ぼさないことを確認。さらに、ネイティブの英語教員にデモ機を使用してもらい、コントロール画面が英語に簡単に切り替わること、PCにそれほど強くない教員でも、基本操作を直感的にできることを体験してもらった上で、導入を決めた。

 また、佐藤教授からは、「『CaLabo EX』のコントロール画面からは、決まったグループにだけファイルを送信できるなど、現場の教員の声が反映されているなと思われる工夫がありますね」と評価いただいた。

教員の活用体験により、学生の学びの幅が広がる


上:本について学ぶ「ジャパン・スタディー」の授業を実践的に行うための和室教室
下:2014年4月からガルシア先生の授業を受けている生徒へのアンケート調査では「ICT を使った授業で英語力が上達したと思うか」の問いに全員から肯定的な回答が提出された。

 外国語学部の教員は、16名。その専門は、グローバル人材育成に向けた「英語力」「日本学」「国際学」を三本柱に、多岐にわたる。

 「コンピューターやCALLシステムに関心のある教員は、自ら『CaLabo EX』を試しながら活用法を見つけ出していきますが、そうではない教員にも目を向けて欲しいので、CALL研修をたびたび開催して、活用経験を増やし、システムに慣れてもらうところからはじめました」と佐藤教授。学部全体としての利用頻度が上がることも期待したという。

 チエルのスタッフによるCALLシステムの教員研修は、2014年2月から半年間で8回行われた。

 1回目は、CALLシステムの概要や全体構造、そして、ドラッグ&ドロップによるword文書の配布・回収といった、基本的な操作方法についての説明を受けた。『CaLabo EX』の特長の一つである動画学習ツール『ムービーテレコ』は、時期尚早と判断し、インターネットの動画を一斉配信するといった比較的簡単な練習から始めた。回数を重ねるに連れて、『スーパー英語』の使い方や、『ムービーテレコ』を使っての音声収録・一斉回収など、レベルを上げていった。

 研修を重ねたことで、「学生から集めた教材や配布する教材の管理がUSBメモリーで済むようになり、便利になった」「授業中に、学生がどこでつまずいているかが見えるようになった」「小テストやクリッカーの機能を使うことで、今まで時間のかかっていた集計作業が一瞬で終わるようになった」「座席位置に制限されない自由な組み合わせでグループ学習をさせられるようになった」と、多くの教員に受け入れられるようになった。

 最初の研修から1年経過した2015年2月の研修会では、受講する教員からの質問も、「2時間のDVDから5分をクリップした動画を制作するにはどうしたらいいか」といった教材の作り方や、「『ムービーテレコ』を使って、学生に、映像に字幕を付けさせたい」といった授業での利用法など、具体的な活用法に及ぶようになった。チエルのサポートスタッフから、「『ムービーテレコ』の使い方として、ディクテーション代わりに使っている学校様もあります」との情報を得て、教員は新たな活用法を加えていく。教員の活用体験が広がることで、並行して、学生の学びの幅が広がることは言うまでもない。

個々の学生のレベルに合わせた学びを提供したい!



上: CALLシステムの教員研修の様子
中: 2015年2月チエルサポートスタッフとマンツーマンで、『ムービーテレコ』を使用して学生が映像に字幕をつける方法を学ぶ橋本由紀子教授と金沢真弓講師
下: 『CaLabo Bridge』の新機能「授業支援ツール」で出席管理の方法を学ぶ佐藤教授

 「学内の『自修道場』に置いてあるタブレットを活用して、お茶でも飲みながら、勉強半分、雑談半分のような活動が広がればいいと思います」と、佐藤教授。現在、CALL教室を使った授業での出席管理は、教室にあるIDスキャナーで行われている。ここで出欠を取ったあとに、ラーニングコモンズを目的とした『自修道場』に移動して授業を行う先生も増えてきた。

 この環境が活用され始めているのを見て、『CaLabo Bridge』の活用を開始した。専用のドメイン名を取り、『CaLabo Bridge』のログイン画面に入れるようにもした。教員には、授業の登録方法や学内サーバーに置いた教材へのアクセス方法も説明済み。TOEFL®テスト対策の教材も入っている。

 環境は整った。佐藤教授は、「タブレットからアクセスできるデジタル教材が教科書や参考書の代わりになり、学生は学外からも好きな時間に自学自習し、教員は、その学習状況を、『CaLabo Bridge』の利用状況分析で把握し、個々の学生のレベルに合わせた学びを提供するような環境を目指しています。そして、ICTの稼働率を上げることによって、学部全体の教育の質を向上していきたい」と期待を込めて締めくくった。

Teachers and a student’s voice

英語講師 C. Garcia先生

What I like the most is the variety of activities in class.

It is the first time for me to use a computer system to teach English. With the headset, this system allows students to practice and concentrate on listening without distractions, and they can study at their own pace. When I use the system for listening activities and pair work, I notice that students really focus on listening, and rely less on gestures. Another good point is that it conserves paper. Initially, I didn’t think about conserving paper, but being able to use [ miniquiz ] every week allows me to keep student records and keep track of their progress, all without wasting paper, so that’s a good thing. The more I learn about this system and all its features, the more variety I can put into my lessons to keep students interested and give them different kinds of practice. Today I asked the support staff how to control students’ recording time, how to capture video clips from DVD’s and other sources, and more. I really feel this system helps speed up students’ language learning.

授業でのアクティビティの豊富さが魅力
私は、授業でCALLシステムを使うのは初めてです。ヘッドセットを使うことで、雑音なしに自分のペースで、音を明確に学べることがいいですね。リスニングや「ペアワーク」を使った授業をしていると、学生がジェスチャーに頼らず、聞くことに集中していることに気づきます。紙の節約にもなります。毎週の「ミニクイズ」は、学生の進捗度や記録をデータで確認しながら、アンケート用紙を大分節約できますね。使えば使うほど、授業のアクティビティのアイデアが湧いてきます。今日はチエルのサポートスタッフの方に、学生が録音する長さをどう調整するか、DVDからのビデオクリップの作り方などを聞きました。学生の外国語学習のスピードを支援するシステムだと思います。

英語講師 Ian Warner先生

『CaLabo EX 』makes a big difference during lesson time

I find the core student PC remote-monitoring, control and two-way communication functions fantastic aids, especially for larger-size classes. I can send worksheet, sound and video files to students and have them return finished work to me in a flash. I love having the ability to target verbal instruction solely to the students that require it without distracting others and being immediately able to both observe student progress and take temporary control of PCs as students type, read-aloud or speak, etc. Plus MovieTeleco is a great recording tool. Finally, Chieru support and maintenance staff couldn’t be better, which is another important consideration. I’m certainly looking forward to the next version of『CaLabo EX』!

授業で大活躍の『CaLabo EX』
特に人数の多いクラスでは、学生のPCをモニター・操作できる機能、双方向のコミュニケーションを可能にする機能の素晴らしさを実感します。練習問題や音声ファイル・動画を学生に一斉に送り、必要なときにいつでも、一斉に作業を終えたファイルを回収することができます。また、他の学生の学習を妨げること無く、必要な学生だけに音声で個別指導ができる機能や、学生がタイプしたり発声したりしている間にも、その場ですぐに指導ができる機能も活用しています。『ムービーテレコ』の録音機能やキャプチャーツールも素晴らしいですよ。最後に、チエルのサポートスタッフは最高です。

外国学科1年 福田 美咲さん

英語で学ぶことの楽しさを実感しています!

 高校時代の私は、人よりも理解するスピードが遅くて、楽しさよりも授業に追いつくことに一生懸命でした。だから、英語の勉強が面白いと思ったことは一度もありませんでした。
 ガルシア先生の授業では、ストリートチルドレンの問題など、考えさせられる動画が教材になっています。「勉強=書く」と思っていた私は、CALL教室での授業で、動画を見て、授業中に自分の意見を英語で発言する機会がとても多いことに驚きました。英語で学ぶことの楽しさ、世の中に出て意見を言えるようになることの大切さを学んでいます。

 時折、『スーパー英語』を自習しています。ゲーム感覚で学べ、時間が空いているときに学習でき、『My Portfolio』で自分の英語力が上がっていることを数字で見られるなど、努力したことが率直に評価されるのがうれしいです。

 私は今、外国学科で大学時代を過ごせることに、喜びを感じています。

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