Case Studies

英語に浸る機会が圧倒的に増える

2008/09/22

小中

英語に浸る機会が圧倒的に増える
〜使いやすさナンバーワンの『CaLabo EX』〜

埼玉県立伊奈学園中学校は、2003年4月に伊奈学園総合高等学校(1984年開校)に併設される形で誕生し、両校で中高一貫校を形づくっています。学校 そのものが1年生なら、ここで学ぶ生徒もまだ1年生だけ。2004 年2 月初旬、その元気いっぱいの1年生が学ぶCALL 教室にうかがい、阿野幸一先生の指導する英語の授業を見せていただいた。

ほしい機能をすべて備え、操作がじつに簡単な『CaLabo EX』

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阿野幸一先生

伊奈学園はさいたま市の真北約10キロの伊奈町に、15万5000平方メートルという広大なキャンパスをもつ。ここに、総合選択制の普通科高校とし て知られる「伊奈学園総合高校」の生徒約2800人が、200名を超える教職員とともに学んでいる。生徒数で大学に匹敵するスケールの同校は、施設・設備 の面でも高校とは思えない充実ぶりを誇る。この恵まれた学習環境のなかに、中学校が新設された。

今回訪れたCALL教室は2003年の夏に完成し、9月の2学期から中学生専用として使われている。

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『CaLabo EX』を操作しながら授業を進める阿野先生

ここには、フルデジタル学習システム『CaLabo EX』が導入され、生徒用パソコン40台に最新の語学学習環境が入っている。授業前の休み時間に、阿野先生はこのシステムを選んだ理由を次のように説明さ れた。「私は昨年まで高校で英語を教えていましたが、JACET(大学英語教育学会)の全国大会に参加して、メーカー各社が出展するCALLシステムに触 れる機会がありました。そのとき、『CaLabo EX』のブースで説明を受けながら実際に操作を体験してみました。『CaLabo EX』は私のほしい機能をすべて備えていて、しかも操作がじつに簡単でした。これなら授業に使える!と直感しました。他社のブースも回りましたが、使いや すさの面で『CaLabo EX』がナンバーワン。新設の中学校には是非これを導入してもらおう、と思ったのです」

CALLはあくまで通常の授業とリンクさせながら利用

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ヘッドセットをつけてリスニングに集中する生徒たち

1年生の人数は80名2クラス。英語の授業は週に4時間あるが、そのうちの3時間は普通教室で20名ずつの少人数制で行われる。そして、もう1時間は、このCALL教室に40名の生徒が集まってくる。

ど んな授業が行われるのだろうと期待していると、始業のベルが鳴って阿野先生が生徒たちに英語で語り始めた。中学1年生にはかなり高度な内容と感じたが、ど の生徒もごく自然に聞いている。つまり、しっかり聞く力がついているようなのだ。……そのことは授業を見終わって、なるほどと納得したのだが、授業の主要 部分は次のような展開だった。

  • NHK「新基礎英語」テキスト(リズムにあわせてスキット練習)
  • 教科書「NEW HORIZON」(内容は、電話の会話)
    • 音声による導入を図るため、テキストを見ないでDVDを視聴
    • 概要を把握するための質問を先生が投げかけ、生徒たちが答える
    • テキストを見ながら先生の後について復唱、先生と同時に発声するオーバーラッピング
    • パートを決めてペアになってロールプレイ
  • NHK「新基礎英語」(内容は、電話の会話)
    • 音声をヘッドセットで聞かせながら、「ソフトテレコEX*」へ送出
      同時に生徒たちも発音(*『CaLabo EX』に搭載の録音再生装置)
    • 「ソフトテレコEX」へ送られた教材を利用して、生徒が個別にシャドーイング(聞きながらいっしょに発音)
    • 「フリーペア*」にしてパートを決め、ロールプレイ(相手を変えて3回)
      (*『CaLabo EX』に備わった、ランダムにペアを決める機能)

 


こ れを見てわかるように、授業では教科書とともにNHKの「新基礎英語」テキストが使われている。生徒は、毎日NHKのラジオを家で聞くことがノルマになっ ていて、それを前提に授業が行われているという。とはいっても、CALL教室用に特別に設計された授業ではなく、CALL教室の利点をうまく活かした通常 の授業という印象を受けた。「CALLはあくまで通常の授業とリンクさせながら利用しています」という阿野先生の授業設計は、週4時間の英語を次のように 組み立てている。

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『CaLaboEX』が導入された
CALL教室

「CALLシステムのいちばんの良いところは、普段の授業を復習しつつ、さらに発展させていけるところですね。ふだん教室ではなかなかできないことを、 『CaLabo EX』の機能を使って実現したいと考えているのです。例えば、ドリル的な学習や、実際のコミュニケーション活動などですね。ここではそうした学習をたいへ ん効率よく行うことができます。その際、あくまでも教材は同じもの、それを繰り返して身につけるというのが私の基本方針です」

「ペアレッスン」や「ソフトテレコEX」でのびのびと会話・発音練習

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(上)ソフトテレコEX の画面を見ながら発音練習する生徒
(下)ソフトテレコEX の画面

この授業で感心したことの1つは、会話練習や発音練習のとき、生徒の声が大きいことだった。席の離れた友達とヘドセットを通して会話練習する「ペア レッスン」や、「ソフトテレコEX」画面の波形を見ながら発音練習するとき、どの生徒も、のびのびと自信を持って練習していた。大きな声で発音練習しなけ れば英語は上達しない。皆がヘッドセットをつけているから、大きな声を出しても迷惑にならない。生徒はこの2つのことをよく自覚して、CALL教室を自分 のために活かしているのだ。

「CALL教室があるとないとでは、ぜんぜんちがうと思います。CALL教室には、思いのままに練習がで きるというだけでなく、自分がどこまで進んでいるか、自分がどのくらいできているか、自分の英語力をチェックする機能があります。生徒も例えば、「ペア レッスン」でうまくできないと自分が遅れている、相手に迷惑をかけていると気づくので、ふだんの授業も一生懸命やるようになります。

ま た、コンピュータやインターネットの機能も備えているので、教科書を超えて教室から出ていける点も大きいですね。 英語に浸る機会が、ドリル、コミュニケーション活動を含めて圧倒的に増えるので、CALL 教室があるとないとでは、生徒の英語力にものすごく差が出ると思います」

CALLシステムは数年前まで大学の設備と見られていたが、 いまや中学校にあっても驚かないものになった。知識や技能をもっともよく吸収する年令だからこそ、中学校に導入する意味があるという意見も聞かれる。そん なCALLシスムは、誰でも使えるものだろうか? 最後に阿野先生にこの点をお聞きした。「CALL教室の授業が週に1時間入っていると、それに進度を合 わせることになります。CALLでこれをやりたいから、それをめざして普通教室の授業はここまで進めよう、というふうになります。その流れさえつかめば、 導入はすぐできるかなと思います。じつは私も機械は苦手なほうですが、パソコンの基本操作ができる先生であれば、すぐ『CaLabo EX』を使えます。本当に『CaLabo EX』は簡単に操作できますので、心配はいりません」

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