Case Studies

授業での学びと自学自習を支えるシステムを構築

『CaLabo EX』と『CaLabo Bridge』をシームレスに連携させ、授業はもちろん、学外からも外国語学習ができる環境が整った青山学院大学。文学部フランス文学科では、eラーニングシステム『Glexa』も活用して授業を行っている。

青山学院大学
米国の宣教師によって設立されたキリスト教系大学。文・教育人間科学・経済・法・経営・国際政治経済・総合文化政策・理工・社会情報の9学部からなり、青山と相模原にキャンパスを構える。
外国語ラボラトリー
【青山キャンパス】学術情報部 語学学習課
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実用的なフランス語力を習得

 ドルヌ・フランス教授が担当するフランス文学科1年生の「フランス語会話」の授業では、言語能力を評価する国際指標のCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠、フランス語では「CECR」)で「日常生活での身近な事柄について、簡単なやり取りができる」とみなされるA2レベルまで到達することを目指す。授業は通年(前・後期各15回)で、週1回90分。CALL教室では、日本語を使わず、フランス語のみで話すことが中心の授業だが、これだけでは「聴く力」を養うには十分ではない。そのため自学自習できるeラーニングを組み合わせている。

 フランス文学科で現在使用している教科書は、今年度新たに教員が制作したもので、CALLシステムを活用し、現地でフランス人役者が演じるドラマやゲームの映像を使って、実際のフランス語会話を聞く機会を大幅に増やしている。授業は文法中心の指導ではなく、実践的な会話が中心だ。ドルヌ教授は「母語を習得したような方法でフランス語に触れて、フランス語を使えるようになってほしい」と独自のカリキュラムで指導にあたっている。

授業運営の効率を高めるシステム

 そうした授業を支えているのが、『CaLabo EX』と『CaLabo Bridge』だ。青山学院大学では以前より『CaLabo EX』を活用してきたが、2013年度に青山キャンパスにおいて、従来4教室だったCALL教室を13教室へと増設するにあたり、『CaLabo Bridge』を導入し、時間や場所に依存せずに、教員が課題を管理でき、学生が教材や課題をダウンロードできる環境を整えた。

 ドルヌ教授の授業では、『CaLabo EX』を通じて、独自教科書の画像やフランス人の生活の写真などを学生に配信したり、「ランダムペア」や「グループレッスン」の機能を使って、変化に富んだ授業を展開している。

自学自習を支える『Glexa』で教員が教材を自作

 2013年に導入した『Glexa』は、学生の自学自習を支えるeラーニングシステムだ。フランス文学科では、フランス人によるオリジナルの映像を撮影し、『Glexa』で新しい教科書の構成に沿った教材を670問作成した。その中の一つがロールプレイ形式の教材だ。学生は、画面に登場するフランス文学科の教員たちから出される問いに対して、答えながら学習を進めていく。選んだ回答によって展開が変わり、ゴールに行きつくまでに何問解いて、何問正解したか、何分要したのかなどの学習履歴はすべて記録される。ゲーム感覚で楽しみながらフランス語を聞くうちに、「聴く力」を自然に身につけることができる教材だ。

 「『Glexa』は、選択、穴埋め、並べ替えなどの問題形式を動画とともに埋め込むことが出来るため、バリエーション豊かな問題を盛り込むことができました。操作性もよく、作りやすいのが魅力ですね」とドルヌ教授は話す。

 この授業の成績は、授業やeラーニングへの取り組み、試験の結果を踏まえて評価する。試験には『CaLabo EX』が活用されており、教員が録音した20問以上の質問音声を聞き、学生は個々に答えを録音して提出する。フランス語会話の授業は少人数制で、11クラス開講され、すべてのクラスが共通の試験を受ける。以前は担当教員が個別に試験問題を作成し、採点から評価まですべて行ってきたが、現在ではCALLシステムを活用し、同じ教材を用いた共通のカリキュラムで授業を行い、『Glexa』の学習履歴を利用して、9名の教員がフランス文学科の評価基準に則して評価を行っている。

さらなる活用を進めるために

 同大学では言語関連のさまざまな授業でCALL教室が活用されている。学術情報部語学学習課の武田智恵子主任によれば、「学生は、これまで学内でしかできなかった課題を学外や自宅などから好きな時間に好きなだけ学習している様子が、『CaLabo Bridge』の利用状況分析によってわかります。『CaLabo Bridge』の利用がタブレットからもできるようになり、学びのスタイルも変わりつつあります。今後は、先生方からの新しい要望がますます増えていくと思います」と述べる。

 同課の青木弘美課長は「今後は、まだ利用していない教員たちにも働きかけて、さらに有効活用されるようにしたいものです。そのためにも、活用している教員がノウハウを共有する場も設けなければなりません。アクティブラーニングといった学習形態や新しい時代の学びに即した教授法に対して、大学としてどのようなシステムを構築していくべきかも、検討していきたいと思います」と語った。

教員が『Glexa』で自作した教材群

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